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貴族手術1  鼻翼基部オーダープロテーゼによる最新術式

名古屋院 李 院長 プロフィールはこちら

公開日:2025年5月7日

更新日:2025年5月7日

鼻翼(小鼻)の付け根が沈み込んでいる状態を改善する手術を貴族手術といいます。

元々、韓国でそう言われていたのが日本でも一般的な呼び名になりました。

この手術については以前のブログで触れています。

ただ、それから10年近くたち、ヴェリテクリニックで行っている術式自体が大きく変わっているので、改めてそのことを中心にお話ししたいと思います。

鼻翼基部の骨格が低形成であることがこの根本的な原因であるため、この部分に何らかの素材でボリュームをつけるのがこの治療の目的になります。

この際、脂肪やヒアルロン酸といった柔らかい材料では、鼻翼基部の外側の鼻唇溝の陥没は改善できても、鼻翼自体を持ち上げることは困難です。

鼻翼自体を持ち上げようとするとシリコンのような固形の材料が必要になります。

このことは、昔のブログで説明しているので、もしよろしければそちらを参照してください。

鼻翼基部

以前の術式では既製品の鼻翼基部専用のシリコンプロテーゼを使用していました。

これが当時使用していたものになります。

これを、口腔内などから鼻翼基部の直下の骨の上に挿入していました。

基本的にはこのタイプでも問題はないのですが、一つ欠点がありました。

これはプロテーゼがずれやすいということです。

口元は、食べたりしゃべったりと絶えず動いている場所なので、どうしてもその影響でずれる可能性があります。

手術の際、位置が変わらないように周囲の組織に固定するのですが、それでも時間が経つとずれることがあります。

それを確実に防ぐためにはチタン製のスクリューなどで骨自体に固定するのがベストですが、そこまでしなければいけないのかという根本的な問題もあると思います。

このずれるということについては、以前の術式では可能性をゼロにすることはできず、実際他院の修正でも一番多いのがこのケースでした。

現在は、この問題についてはほぼ解消できたと思います。

その大きな要因は、オーダーシリコンプロテーゼの存在です。

ヴェリテクリニックでは、鼻の手術の際にもシリコンを使用する場合は、ほとんどのケースでオーダープロテーゼを使用しています。

オーダープロテーゼを作成する際は、まずCTのデータから骨格模型を作成し、時間経過で硬化する素材で原型を作成します。

これを医療用シリコンを製作するメーカーに送り、同じ形状のシリコンに作り替えてもらいます。

オーダープロテーゼの利点は、骨格にぴったりフィットするので自然な形状になりやすいというところです。

骨の面は平坦ではなく微妙な局面や凸凹があるのが普通で、既製品のシリコンだとこれが原因で、わずかな隙間や浮き感が生じてしまいます。

これもシリコンがずれる要因の一つになっていました。

前述したように、オーダープロテーゼは骨に隙間なくピッタリフィットするので、形状が自然になるだけでなく、安定感がありズレにくいのも特徴です。

それだけでなく、オーダープロテーゼにはさらに安定する形状的な特徴があります。

それを説明する前に、実際の鼻翼基部のオーダープロテーゼの写真を見てみましょう。

いかがですか。

先ほどの既製品と何か違いますね。

そうです。オーダープロテーゼは左右つながっているのが最大の特徴です。

左右つながっているだけでも従来の既製品よりずれにくいのですが、さらに真ん中の部分が前鼻棘(ぜんびきょく)という鼻柱の基部にある骨の突出部に固定されるため、プロテーゼを固定しなくてもずれる心配がないほど安定します。

念のため、数か所周囲の軟部組織に固定はしますが、もちろんスクリューで固定する必要はありません。

ちなみに下の写真の赤丸の部分が前鼻棘です。

このオーダープロテーゼのメリットは他にもあります。

それは、鼻柱基部を前方に出すことができるということです。

鼻翼基部の骨格が低形成である方の多くは鼻柱基部も沈み込んできます。

この部分が沈み込んでいると、口元が盛り上がって見えます。

逆に、適度にこの部分が前に出ることによって、キレイなカーブの「Cカール」ができ上品な口元になります。

左右のつながりの真ん中に当たる部分のオーダープロテーゼのを厚くすることで、鼻柱基部を前方に押し出すことができ、Cカールの形成に貢献します。

逆に、この部分を変えたくない場合は、この部分のシリコンの厚みを極力薄くすることで前方に膨らむのを防げます。

実際のビフォーアフターではこんな感じです。

ちなみにこのモニターの方は鼻中隔延長も行っているので、鼻先も高くなっています。

オーダープロテーゼ以外で行っているのは、肋軟骨を用いる術式です。

ブロック状に削った肋軟骨を用いる方法もありますが、一番多いのは一辺1mm程度のダイス(さいころ)状に細かくした肋軟骨を、あらかじめ作った鼻翼基部のスペースに挿入する方法です。

同じ方法で、鼻柱基部にも入れることもあります。

自家組織にこだわる方や、肋軟骨を用いた鼻中隔延長を同時に行う場合には良い適応になります。

オーダープロテーゼに比べると術後の形状がどうしても多少アバウトになってしまうのが欠点ですか、実際にはそれほど問題になることはなく、私自身はこの術式を用いることも少なくありません。

この術式のメリットを挙げるとしたら、ご自分で触った時の自然さです。

プロテーゼはどうしてもご自身で触ればそこに存在する感覚があります。

ダイス状の肋軟骨もそれが全く無いわけではありませんが、大きな固形物ではない分少ないと思います。

この貴族手術は口元を上品に見せるのにとても有効で、この名前の由来もそんなところからきているのかもしれません。

この手術を単独で行う場合もありますが、多くの場合は鼻のほかの手術と組み合わせて行っています。

次は貴族手術の適応や単独でこの手術を行う場合の問題点、どういった手術と組み合わせるとより効果的かについてのお話をしたいと思います。

>>貴族手術2 この手術の向き不向き デメリットとそれに対する対策について

この記事の執筆者

李 政秀
 

ヴェリテクリニック名古屋院院長
李 政秀医師

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