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鼻整形の終着点、ヴェリテクリニックへ
ヴェリテクリニックでは海外や他院にて行われた手術の修正手術の相談も承ります。
過去に手術経験がある方やこれまでの手術結果に満足頂けていない方、他でお断りされてしまった方などでお困りの方、ぜひヴェリテクリニックにお任せ下さい。
鼻の修正手術とは、他院で行った鼻整形後の悩みや不満を解消するための再手術です。
「形が不自然」「プロテーゼがずれた・曲がった」「鼻先が硬い」など、様々な症状に対応。皮膚や軟骨の状態を正確に診断し、耳の軟骨や肋軟骨、筋膜など自家組織を用いて、自然で美しい鼻のラインを再建します。豊富な経験と高度な技術で、難易度の高い修正にも対応しています。
わたしたちは世間一般でいわれている美容整形・美容外科に対するマイナスイメージやアンチテーゼを本気で覆したいと考えています。
ですから、過去に美容整形の手術を受け、結果に納得できなかったという方とも積極的に関わりたいと考えています。
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※他院での手術の場合、術後4ヶ月ほど経過したのちカウンセリング予約をしていただきます。
カウンセリングの際、お困りなこと、不安なこと、どのようになりたいかをご遠慮なくお伝え下さい。
修正手術の場合、瘢痕形成が起きていたり、手術を行った医師により術式が異なるため、手術の難易度が高い場合や、状態によってはご希望通りに仕上げることが難しい場合もありますが、どういったアプローチで修正が可能かどうか医師が的確に判断させて頂きます。
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小鼻を小さくしたいとご相談にいらっしゃる方の中には、小鼻自体はそれほど大きくないというがかなりたくさんいらっしゃいます。
その中には、本当にきれいな形の小鼻なのに、ご自分で大きいと思い込んでいるだけの方もいます。
でも、実際それ以上に多いのは、大きくはないけど確かに目立つ、どこか気になる存在感のある小鼻を持った方です。
こういった方の多くは、「小鼻が大きいのではなく重い」という表現がしっくりくるタイプです。
「重い」というとあまりにも抽象的な表現ですが、実際、この表現以上にぴったりくる表現を思いつかないので、カウンセリングでもよくこう言って説明しています。
では、重い小鼻とは、具体的にどんな小鼻なのでしょうか。
イラストと写真で説明していきたいと思います。
横顔で、美しく見える鼻翼の形というのは、その下縁(鼻孔縁)の形状に大きな特徴があります。
鼻翼の下縁が、その付け根から一旦上に向かってゆるやかにカーブしていき、途中から方向を変え下に向かい、鼻先ではそのピークより下で終わっているように見えます。
ちょうど、鼻翼の付け根から飛行機が飛び立って、鼻先の手前で着地するイメージです。

これを、別の言い方で表現すると、鼻孔縁のカーブが全体として緩やかな上向きのカーブを描いていて、さらに、その鼻先側と付け根側に大きな高低差が無い形になります。

これが、小鼻が重く見える方になると、これとは違った形になっています。
まず、鼻孔縁が下に向かってカーブするか、またはほぼ直線的になっています。
鼻先側だけ、少し上向きのカーブになる方もいますが、全体として上向きの部分の割合が少ないのが特徴です。

こういった形に見える原因は、一つではありません。
小鼻そのものに原因がある場合もあれば、鼻の他の部分とのバランスに原因がある場合もあります。
このバランスにもいくつかのパーツか関係していますが、一番影響するのが鼻柱と鼻翼基部の位置関係です。
ちなみに鼻柱というのは鼻の左右の穴を隔てている真ん中の部分で、鼻翼基部というのは鼻翼の付け根になります。

この二つの位置関係で鼻翼の見え方が変わります。
例えば、鼻柱が短く鼻翼基部より上にあると、鼻翼が下に引っ張られたようになり、鼻翼が重く見えます。
鼻柱に充分な長さがあっても、それ以上に鼻翼基部の位置が低いと、同様に鼻翼が重く見えます。
バランスの問題ばかりではなく、鼻柱の長さや鼻翼基部の位置が理想的であっても、鼻翼自体に問題がある事で重く見えるケースもあります。
これは、鼻孔縁自体の形状が下向きのカーブになっているために鼻翼が重く見えるということです。
もちろん、こういった原因が複合的に合わさっているタイプも少なくありません。

当然、タイプが違えば治療の方針も異なります。
では、重い小鼻を軽くする治療についてお話していきたいと思います。
先ほどの3つのタイプに分けて、それぞれ考えてみたいと思います。
まず、鼻柱が短くて、鼻翼が重く見えるタイプでは、鼻柱を下に伸ばす治療、つまり「鼻中隔延長」を行います。
イメージとしては、飛び立ったまま着地しない飛行機を、着地させるイメージです。
この手術の詳細については、私の過去のブログやクリニックのホームページで見ていただくとして、簡単に言えば鼻の真ん中を下に引っ張るように伸ばす手術です。
実際、このタイプの方が指で鼻の真ん中をつまんで引っ張ると、それだけで、小鼻がすっきり見えます。(一度鏡の前で試してみてください。)
この鼻中隔延長は、前方にも鼻を伸ばすことができるので、重さだけでなく、小鼻が丸くふくらんで大きく見える方の、丸みの緩和を目指せます。
ですから、鼻柱が短いことも小鼻が大きいことも両方気になるという方は、よほど小鼻が大きい場合以外は、まず鼻中隔延長だけ行ってみることをお勧めしています。
それだけで、気になっていた小鼻の大きさが気にならなくなる方がたくさんいらっしゃいます。
もちろんそれでもまだ小鼻の大きさが気になれば、必要な分だけ切除すると良いと思います。

話が少し逸れてしまったので、元に戻ります。
次のタイプ、鼻柱の長さは充分あるけれど、それ以上に鼻翼が下がっているタイプには、「鼻翼挙上術」という治療を行います。
これは、その名の通り、鼻翼を上に移動させる手術です。単純に持ち上げるだけでは鼻翼が上でつかえてかっこ悪くなってしまうので、あらかじめ上げることでつかえる分の鼻翼を上で切除します。
通常の鼻翼縮小などと比べても傷が大きくなってしまうのが欠点ですが、この手術でなければきれいな小鼻にならない方は結構いらっしゃるので、最近増えつつある手術です。

では最後のタイプ、鼻柱や鼻翼基部の形は良いけれども、鼻孔縁のカーブそのものが下向きで小鼻が重く見える方には、鼻孔縁の下へのふくらみを変化させる「鼻孔縁形成術」を行います。
これも、以前お話ししたことがある治療なので、詳細は省きますが、小鼻の下縁を切除して形を変えるシンプルな治療です。
この手術は手技も単純で、傷も鼻孔縁の辺縁に沿った目立たない場所にしかできないので、適応さえあればぜひお勧めしたい治療です。

今回は、話を分かりやすくするため、ちょっと乱暴ですが大きく3つのタイプ分けをしてみましたが、実際はこれらの要因が複合的に関与していることが多々あります。
ですから、治療が複合的になることもかなりあります。
例えば、鼻柱も短いけれど、鼻孔縁のカーブ自体も下を向いているケースでは、鼻中隔延長と鼻孔縁形成の両方を同時に行います。
鼻翼の重さと大きさの両方に問題がある場合などでは、鼻翼挙上と鼻翼縮小を同時に行う場合もあります。
小鼻は本当に複雑で厄介な場所です。
一度手術すると戻れない治療も多いため、どんな治療をすればどういった形になるのかを術前に
イメージして治療に臨まないと、大変なことになります。
安易な治療は避け、納得いくまでしっかりとカウンセリングを受けて、手術に臨みましょう。
“ 理想の豊胸術ってどんなもの? パート3前回、前々回とヒアルロン酸や脂肪注入による豊胸術についてお話してきましたが、今回はいよいよ人工乳腺(バック)による豊胸術についてお話していきたいと思います。
いよいよと言ったのは、少なくとも現在の豊胸術の主流の手術であることは間違いないからです。
最近は脂肪注入を希望される方も多いですが、それでも世界的に見れば、人工乳腺による豊胸が圧倒的なシェアを占めています。
人工乳腺についてはバックの種類(中身やシェルのタイプ、形状)、術式の違いとそれぞれの術式の適応など、お話しすることは山ほどありますが、まずはヒアルロン酸や脂肪注入と比較してどうかということに絞ってお話ししてみたいと思います。
前回までと同様、この手術のメリット、デメリットを確認することで、他の方法との違いを考えてみましょう。
ちなみに人工乳腺のことを、美容外科や形成外科では「バック」と言ったり「インプラント」と呼んだりしています。
この後の内容にも、この両方の表現が出てきますが、あくまで全て人工乳腺のことなのでご了承下さい。
ではまず、メリットです。
1.サイズアップ
もちろんどこまでも大きくできるわけではなく、元の体型やバストサイズによる限界もありますが、ほとんどの方で2サイズ以上のバストアップができます。
前回の脂肪注入の回でお話しさせていただきましたが、脂肪注入で一度に2サイズを超えるサイズアップは非常に難しく、大きなサイズアップを望まれる方は何度か手術を繰り返す必要があります。
ヒアルロン酸も、一度にたくさん入れ過ぎると、バスト以外の部位に広がってしまったりします。
ましてや、サイズを維持するためには繰り返し注入する必要があり、ヒアルロン酸で大きなサイズアップをすることは、金銭的にもかなりハードルが高くなります。
2.サイズの維持
ヒアルロン酸は1年前後で吸収されてしまいますし、脂肪も痩せてしまったりすると、サイズダウンしてしまいます。
それに比べ、人工乳腺であれば、入れたバックのボリュームがそのまま残ります。
以前よく使用されていた生理食塩水バックは、時間とともに水が抜けて小さくなってしまうことがありましたが、今のコヒーシブシリコンバックであればサイズが変わることはありません。
また、バックの耐久性には諸説ありますが、現代のシリコンバックであれば数十年の耐久性があると思います。
ちなみに、人工乳腺による乳房再建のガイドラインでは、「インプラントは半永久的なものではない」という記載があります。
またメーカーが再建患者さん用に作っているパンフレットにも「10~20年後の入れ替えを視野に入れておくことが望ましい」とされています。
ただしこれは、10年から20年後に必ず入れ替えなければいけないということではなく、あくまで入れ替えなければならなくなる可能性があるということです。
ですから「視野に入れて」なんていうあいまいな表現になっているのだと思います。
少なくとも、バックに異常がないかを定期的にチェックするべきではあると思いますが、検査で何も異常がなければ、あえて入れ替る必要はないと思います。
もし、すでにバックが入っている方で10年以上経過している方は、念のためエコーなどでバックの状態をチェックするのが望ましいと思います。
お近くの乳腺外科にご相談いただければ、美容目的で豊胸された方でも診察していただけるはずです。
もし、断られてしまったり、一般病院での検査に抵抗がある方は一度ご相談ください。
当院では、他のクリニックでご手術された方でも検査可能です。
3.乳がん検診に影響しない
これは、「逆じゃないの」と思われる方も多いと思いますが、注入するものの一部が乳腺内に入る可能性のあるヒアルロン酸や脂肪と比べ、人工乳腺は乳腺より下の層に入りますので、検査しにくくなることは原則ありません。
以前の生理食塩水バックであれば、マンモグラフィーでバストを挟み込むことによって、バックが破裂する可能性がありましたが、現代のコヒーシブシリコンバックであれば、外圧に対する耐久性は非常に高く、マンモグラフィー程度で損傷することはまずありません。
もちろん超音波検査なども全く問題なく行えます。
豊胸術を受けた方の中には、検査を断られるのを恐れて、もしくは、検査できないとあきらめて、乳がん検診を受けられない方がいらっしゃいますが、これほどばからしいことはありません。
最近は、コヒーシブシリコンバックによる乳房再建術が保険適応になったこともあり、しっかりした乳腺外科の施設であれば、人工乳腺を理由に乳がん検診を断られることはありません。
ただし、一般的な集団検診のレベルだと、人工乳腺が入っているというだけで、再検査とされてしまい、二度手間になる可能性があるので、最初から乳腺外科を受診されることをお勧めします。
では、デメリットはどうでしょうか。
1.傷ができる。
脂肪注入の場合でも、脂肪吸引のために小さな傷はできますが、バックを挿入する際は、数センチの切開をしなければなりません。
海外では、多くの場合乳房の下縁もしくは乳輪周囲を切開しますが、日本では脇を切開する術式が好まれます。
当たり前ですが、傷が目立たないというのがその理由です。
手術は多少面倒になるのですが、やはり傷の目立ち方を考えれば脇からアプローチするメリットは大きいと思います。
いまだに学会などで乳房下縁じゃないと出血などのリスクに対応できないから危ないとおっしゃる先生もいますが、丁寧な操作を行えば脇からのアプローチでも手術は行えます。
実際、この手術で術後に貧血をおこすような出血はまずありませんし、良い層を丁寧に剥離していけばほとんど出血しません。
話はそれてしまいましたが、いずれにせよ傷ができるのはこの手術のデメリットの一つであると思います。
ただし、ほとんどの場合、脇の傷は元々あるしわの一部のようになってしまいますし、もし術後の経過で思いのほか目立つ傷になってしまった場合も、修正することで目立たなくできます。
2.異物感を感じる
人工乳腺は簡単に言えば袋にシリコンを詰めたものです。
袋状のものなので、バストを触ったり動かした際に一つの塊としてしか動きません。ましてや中身は均一な素材です。
実際の乳房は、脂肪や乳腺の集合体で、決して均一ではありません。
それに比べ人工乳腺は均一な塊なので、それが異物感につながることがあります。
また、稀ではありますが、人工乳腺が時々冷たく感じるとおっしゃられる方がいます。
これはおそらくですが、人工乳腺の中には血流が無いので、運動などで急激な体温の上昇がある際に、バックの温度が周囲に比べて一時的に低くなるためと考えられます。
こういったことも異物感を感じる要因になると思います。
3.触ると分かる
先ほども述べたように、人工乳腺は袋に入ったシリコンの塊で、中には神経も血管も通っていないので、当然自分で触ればそこにあるのがわかります。
では、他人が触ったらどうでしょうか?
これは、単純にこうと言えるものではありません。
たとえば、こういった手術を仕事としている我々が触診すれば、おそらくどんなに仕上がりがいい人工乳腺でも入っていることはわかります。
では、それ以外の方ではどうでしょうか?
これは、手術の仕上がりで大きく異なります。
この仕上がりには、もちろん手術の出来不出来が大きく作用しますが、それ以外にも、手術を受けた方の体型や元のバストの大きさ、皮下脂肪の厚み、バックのサイズなど様々な要素が影響します。
例えば、皮下脂肪が厚く、乳腺組織もある程度ある方は、ちょっと触っただけでは我々でも迷うくらい、自然な感触になることが多いのですが、逆に、痩せていてバストの上に肋骨が浮き出ているような方であれば、どうしてもバックをダイレクトに触れるので、わかりやすくなります。
4.見た目や動きが本物と異なる
これも、すべての方がそうなるというわけではなく、特に痩せていて皮下脂肪や乳腺組織が少ない方が、体形に合わない大きなバックを入れたケースほど、本物との違いが鮮明に出てしまいます。
特に極端に痩せている方は、バックの辺縁が浮き出やすく、いかにも「入っている」感じが強くなります。
最近はこういった方には、バック挿入後にバックの周囲に脂肪やヒアルロン酸を注入することで、辺縁を目立ちにくくさせる工夫をしたりもしています。
こういった治療は、最初から脂肪やヒアルロンだけでバストアップするのに比べ、サイズアップが容易ということもあり、少しずつ増えてきています。
動きや感触も、実際のバストとは多少異なります。
先ほども述べた通り、人工乳腺は本物のバストと違い、均一なシリコンが入った袋状の物体です。
これが多少本物のバストと異なる動きに影響します。
具体的には、仰向けになったとき、本物のバストではバスト自体がぺしゃんとつぶれるような形になりながら、同時に外に流れます。
人工乳腺でも術後、皮膚にある程度の余裕が出来てくると、外に流れるような動きは出てきますが、本物のようなつぶれる変化にはなりません。
あくまで上方向のボリュームをキープしながら動きます。
本物のバストでも若くて脂肪の少ない乳腺主体のバストであれば、あまりつぶれるような動きにはならないので、それほど大きな差には感じないかもしれませんが、脂肪の多い柔らかいバストと比べるとかなり違うと思います。
最近、日本で使用頻度が急激に増加しているモティーバという人工乳腺は、従来のコヒーシブシリコンに比べ、バックのシェルの伸縮性が高く、中身のシリコンも柔らかいので、重力によって形が変化しやすくできています。
ですから、従来のものに比べるとかなり自然な動きに近づいてきていると思います。
実際このバックはコヒーシブシリコンバックに多く見られるアナトミカル型(涙型)ではなく、ラウンド型(お椀型)をしていますが、起き上がると重力の影響で下方向にバックのボリュームが偏り、「アナトミカル型に近い形状」になります。
こういったバックがさらに改良されると、もしかしたらさらに本物に近いバストが作れるようになるかもしれませんね。
以前に豊胸術の全般的なお話、そしてヒアルロン酸による豊胸術についてお話しさせていただきました。
今回は、脂肪注入についてお話ししたいと思います。
脂肪注入による豊胸術にも、ヒアルロン酸注入同様、メリットとデメリットがあります。
まず、他の術式と比べて優れていることからお話ししていきます。
1.自家組織であること
ご自分の組織を用いて豊胸したいという方にとっては、脂肪注入という方法になります。
元々バストが大きい方も、その中身は乳腺組織と脂肪で出来ているわけですから、ナチュラルバストにこだわる方にとっては、良い方法といえます。
2.感触が柔らかいこと
ご存知の通り、脂肪は非常に柔らかい組織です。後述する変性脂肪によるしこりさえできなければ、とてもやわらかい感触になります。
3.傷が小さいこと
これは、人工乳腺による豊胸術と比較してということになりますが、脂肪注入の際には、バストの外側や乳輪の境界といった目立たない場所に1.5ミリ程度の小さな穴をあけ、そこから細い針で注入していきます。
術後しばらくの間は、刺入部に虫刺されのような小さな赤い痕は残りますが、時間が経てばほとんど目立たなくなります。
4.一石二鳥であること
脂肪注入を行うためには、その前提として必ず脂肪吸引を行う必要があります。
ですから、バストも大きくしたいけどスリムにもなりたいという方にとっては、その両方が同時に叶えられる一石二鳥の治療になります。
では逆にデメリットはどういったものでしょうか?これも箇条書きにしてお話ししていきます。
1.注入した脂肪の一部は吸収されてしまう
前述したヒアルロン酸のようにそのすべてがいずれ吸収されてしまうという訳ではありませんが、脂肪も注入後しばらくの間は徐々に減少していきます。
一般的な注入方法を用いると20~40%程度は吸収されてしまいます。
では、最初からその分余分に注入しておけば良いのではという話になりそうですが、そういう訳にもいきません。
それが次のデメリットです。
2.一度に注入できる量に限界がある。
脂肪は生きた細胞ですから、移植された脂肪がその後、持続的に定着するためには、酸素や栄養分の供給が必要になります。
限られたスペースにあまりにも多くの脂肪をむりやり注入してしまうと、一つ一つの細胞への供給量が少なくなり、場合によってはそのほとんどが壊死してしまうことになります。
これは、魚を飼うときに、小さい水槽に大量に魚を入れれば、酸欠であっという間にみんな死んでしまうのと同じようなものです。
さらに壊死した脂肪は、場合によっては吸収されず変性し、しこりを形成したり石灰化したりします。
体型にもよりますが、一度に注入できる脂肪の極量は200~250cc程度です。
これは、それ以上注入できないということではなく、これ以上注入しても定着する量が変わらないか、場合によっては少なくなってしまうということです。
特に、元のバストが小さい方は、それより少ない量でも脂肪がすし詰め状態になる可能性もあり、この場合さらに注入量を少なくせざるを得ないこともあります。
こういった場合、さらなるサイズアップを望まれる方は、最初の注入から半年程度待って再度注入する必要があります。
3.人工乳腺と比較して、サイズアップに限界がある。
先ほど一度に注入できる脂肪量は200~250ccとお話ししましたが、これが最終的に定着してできるバストのサイズアップは1~2カップです。
人工乳腺であれば、一度に3カップ、4カップ、元の体型によってはそれ以上のサイズアップも可能ですが、脂肪注入では3カップまでが限界です。
ましてや、元の体型や栄養状態、年齢、喫煙など様々な要因で、実際に定着率は違ってくるので、一度の手術でこのくらいは大きくしたいという目標が明確な方には、人工乳腺の方がおすすめです。
4.人工乳腺の豊胸術より手術が大変
単純に胸の手術として見たときには、人工乳腺を入れるより脂肪注入の方が手軽に感じると思いますが、先ほどもお話ししたように、脂肪注入をするためには脂肪吸引を行わなければいけません。
片側に250ccの脂肪を注入しようとすると、単純計算、両側で500ccの脂肪が必要になります。
最近は脂肪を遠心分離して濃縮して注入することが一般的になっていますが、濃縮することで脂肪のボリュームは小さくなってしまう訳ですから、さらにたくさんの脂肪を準備する必要があります。少なくとも800cc、できれば1000cc程度の脂肪吸引を行わなければ、目標の注入量が確保できないと思います。
1000ccの脂肪吸引というのは、けっこうなボリュームです。
特に、痩せている方であれば、お腹全体から吸引しても足りないくらいの量です。
また、術後の痛みについても、脂肪注入したバストより、脂肪吸引した部分の痛みの方が強いケースが多々あります。
当然、吸引が広範囲になればなるほど大変な治療になります。
また、手術時間についても、人工乳腺の挿入より時間がかかります。
どの程度の範囲の脂肪吸引をするかにもよりますが、人工乳腺の豊胸術の少なくとも二倍以上の時間はかかってしまいます。
如何でしょうか?メリット、デメリットとも理解いただけたでしょうか?
では、デメリットを極力少なくしてメリットを生かすためにはどうしたら良いでしょうか?
これには大きく分けて、二つの対策が考えられます。
一つは脂肪の定着率を極力アップさせる工夫、そしてもう一つは手術の負担を極力減らす工夫です。
前者についても最近は様々な工夫を行っています。
この代表的な手技がコンデンスリッチファット脂肪注入です。
これの詳細についてはホームページを見ていただくといいと思うのですが、シンプルにお話しすると、吸引した脂肪を特殊なフィルターのついた容器に入れ遠心分離にかけることで、劣化した脂肪を取り除き、脂肪の定着をする幹細胞を通常より大量に含む濃縮した脂肪に形成する方法です。
こうして作られた脂肪は、通常の脂肪より定着率が高く、また従来の脂肪注入でみられる石灰化や脂肪壊死、しこり形成などがほとんど起こりません。
この手技にはデメリットはほとんどありませんが、しいて挙げれば遠心分離の過程に時間がかかることと、特殊なキットを使用する分費用が余分にかかってしまうことです。
もう一つ、最近取り入れられつつある手法が、脂肪注入前にBRAVA(ブラバ)を仕様する方法です。
BRAVA(ブラバ)とは、ドーム型のカップをバストに吸着させ陰圧をかけることで、バストの皮膚や組織を伸ばしバストアップさせる医療機器です。
従来は、吸引することで少しずつバストアップすることを目的とした機器でしたが、それだけではサイズアップに限界があり、特に日本ではあまり普及しませんでした。
しかし最近になり、このBRAVAを脂肪注入の術前に使用することによって、脂肪の定着率がアップすることが分かり、再び注目されるようになりました。
従来、BRAVAには、陰圧を持続的にかけることで、皮膚の伸展と血管が新たに生まれることによる血流アップが目指せるとされてきました。
脂肪注入の際には皮膚の伸展により注入脂肪量の増大になりますし、血流増加によって注入脂肪に栄養が行きわたりやすくなり、定着率のアップとなります。
最近は、美容目的の豊胸術だけでなく、乳房再建の際にもこの方法が用いられるようになってきました。
ただし、この方法には欠点もあります。
一つは、この器具の購入に結構な費用がかかることと、装着している間、苦痛を伴うことです。
施設によって異なりますが、脂肪注入にBRAVAを併用する場合、手術の4週間ほど前から開始します。一日10時間程度装着するのですが、その間持続的にバストを吸引されているので、人によってはかなりの痛みを伴います。
「多少辛くても、バストアップのためなら頑張れる!」という方にはお勧めの方法かもしれません。
ではもう一方の、負担を減らす工夫にはどういったものがあるでしょうか?
デメリットの一つに挙げたように、脂肪注入を行うためには必ず脂肪吸引の必要があります。
そして、その脂肪吸引の負担の方が大きかったりします。
ですから、いかに負担の少ない脂肪吸引を行うかが、この治療全体の負担軽減にとって重要です。
そこで行われているのが、ベイザー脂肪吸引です。
従来の脂肪吸引では、脂肪を吸引する際に、脂肪細胞の間にある神経や血管組織の一部を損傷してしまうことを避けることができませんでした。
これが、術後の痛みや内出血を悪化させる要因になっていました。
ベイザー吸引では、吸引を行う前に特殊な超音波(ベイザー波)を先端から照射する機械を脂肪内に挿入します。
このベイザー超音波の振動により、索状組織・血管・神経組織から 脂肪細胞のみを遊離します。
その後に吸引を行うため、索状組織・血管・神経組織を傷つけずに、脂肪細胞のみを吸引できます。
さらに、不純物の少ない脂肪が採取できるので、定着率のアップにもつながります。
欠点は、機械が高価な分、治療にかかる費用がどうしても割高になってしまうことですが、吸引部分の引き締めにもなるため、できれば選択したいところです。
今、世界中で地盤沈下やそれによる地面の陥没が深刻な問題になっているみたいです。
先日、テレビでそれに関する特集番組を見ました。
その原因の多くは農業用水や工業用水を確保するために行っている地下水のくみ上げにあるようです。
少しずつ沈下していくケースがほとんどですが、ある日突然大きく沈下することもあるようです。
今住んでいる家がある日突然沈下して傾く様を想像すると怖くなりますね。
今日のテーマはそこまで怖いものではありませんが、同じ地盤沈下のお話です。
地盤沈下といっても、土地や家のことではなく、もちろんお顔のお話です。
お顔で地盤沈下が問題となるパーツはどこでしょうか。
地盤沈下というからには、本来平坦なところに建っているべきものが、それより沈み込んでいるということになります。
如何ですか。
何か思い当たる顔のパーツはありますか。
答えは鼻翼です。正確には鼻翼の付け根です。
この部分を「鼻翼基部」と呼びますが、中顔面の骨格の発育の問題などで、ここが顔に埋もれるように沈み込んでいる方がいらっしゃいます。
土地の地盤沈下のようにだんだん沈んでいくという訳ではなく、もともとの骨格や成長過程で沈んで見えるようになっているだけなので、ちょっと意味が違うのかもしれません。
でも、鼻翼基部の地盤沈下も、地面の地盤沈下同様、お顔にとってはちょっと問題です。
では、何が問題なのか具体的に考えてみましょう。
まず、この部分が沈み込んでいると法令線が深く見えます。
若いうちから法令線が目立つ方は、たるみの問題よりこのことに原因がある可能性があります。
また、この沈み込みによって相対的に口元が前に出て見えることもあります。
さらにこれはあくまで印象の問題ですが、鼻柱基部が陥没していると何となく野卑な、もしくはちょっと意地悪そうな印象に見えてしまうことが少なくありません。
ですから、鼻柱基部の沈み込みがゆるやかになると、それまでよりちょっと上品でやさしい口元になります。
ちなみに韓国では、そういった理由もあってこの手術のことを「貴族手術」と呼ぶそうです。
貴族が本当に上品な顔をしているのかどうかは別にして、ちょっと面白い呼び方ですね。
さて、この鼻翼基部の凹みはどうしたら緩和できるのでしょうか。
単純に考えて、埋まりこんでいる鼻翼を押し上げるために、鼻翼の下に何かを入れるとよさそうです。
実際その通りで、この治療のために、鼻翼基部の付け根にヒアルロン酸や脂肪、軟骨、シリコンといった様々なものを入れます。
一番簡単な方法はヒアルロン酸などのフィラー(注入材)です。
でも、ヒアルロン酸自体とても軟らかいゲル状の素材なので、鼻唇溝の凹みは埋めることが出来ても、鼻翼自体を持ち上げることは困難です。
最近では、架橋構造(ヒアルロン酸分子同士の結びつき)が強い、硬くしっかりしたヒアルロン酸もあり、これまでのヒアルロン酸に比べればかなりしっかりと鼻翼を押し上げることが出来ます。
ただし、鼻翼は鼻筋や上唇鼻翼挙筋などの筋肉の影響で絶えず動く場所であるため、その影響で次第に注入したヒアルロン酸が周囲に押しやられてしまい、なかなか効果が持続しません。
脂肪も同じ理由で、鼻翼を押し上げる力が固形物に比べると弱く、またほかの部位に注入した場合より吸収されやすい傾向にあります。
鼻翼基部を持ち上げられず鼻唇溝だけが膨らむのでは、法令線のしわのケアにはなっても鼻翼基部の地盤沈下の変化にはなりません。
本当の意味で変化させるためには、やはりしっかりとした材料で鼻翼基部自体を持ちあげる必要があります。
そのために一般的に使用しているのはシリコンプロテーゼやゴアテックス、耳介軟骨などです。
このうち、耳介軟骨は、自家組織という安心感はありますが、両側の鼻翼基部から鼻唇溝にかけてを全体に持ち上げようとすると、けっこうなボリュームが必要になり、その確保が大変です。
とはいえ、この手術のために大きな軟骨が採取できる肋軟骨を使うのはちょっとやりすぎです。
耳介軟骨でも、両側の耳介から採取すればけっこうなボリュームになるので何とかなりますが、後述するように人工物でも手術できる場所なので、なんとなく勿体ない気がしてしまいます。
鼻中隔延長や鼻尖形成など、自家組織でないと難しい鼻の手術は他にあるので、美容外科医としては、そのために残しておきたいと考えてしまいます。(ただのおせっかいかもしれませんが。)
私自身はシリコンプロテーゼをよく使用しています。
以前はシリコンブロックから削り出して作っていたのですが、最近は鼻翼基部専用のプロテーゼがあり、それも多様な形とサイズが揃ってるので、その中からその方にあったものを選んで使用しています。
もちろん、さらにぴったり合うように形の微調整はします。
鼻腔内から入れることも可能ですが、主には口腔内から入れています。
歯茎のちょっと上方の粘膜をほんの少し切開すれば挿入できます。
粘膜は伸びるので大きな切開は必要なく、結構なサイズのプロテーゼを入れる場合でも切るのはせいぜい1センチくらいです。
この手術のポイントは、鼻唇溝だけでなく鼻翼直下までスペースを確保し、鼻翼基部をプロテーゼで押し上げることです。
先ほどもお話しした通り、鼻翼の外に入れるのでは、法令線のケアにはなっても、鼻翼基部の陥没の修正にはなりません。
それには、正確な剥離と術直後の固定が必要になります。
そのためにプロテーゼを上顎骨にスクリューで固定する方法もあるのですが、そこまでしなくても、周囲の癒着と被膜形成によってプロテーゼが安定するまでの一定期間、内と外から固定すれば十分であると考えています。
最後にこの手術の欠点(リスク)についてお話ししておきたいと思います。
その一つは、鼻翼がプロテーゼで押し上げられる際に、外側に広がって見えてしまうことがあることです。
また、それほど多くはありませんが、鼻翼自体のふくらみ(丸み)が強調されてしまうこともあります。
それ以外にも、鼻翼周囲の筋肉の動きが制限され、笑った際などの表情に多少のぎこちなさを感じることもあります。
表情については時間とともに、そのぎこちなさが緩和することが多いのですが、前者の二つについては何らかの対策が必要です。
具体的には、外に広がることに対しては、左右の鼻翼を引き寄せるように鼻翼の中に糸をかけます。
また、鼻翼自体のふくらみに対しては、場合によっては鼻翼縮小や鼻中隔延長が必要になることもあります。
ただし、こういった治療を行いたくない場合、最悪、プロテーゼを抜去してしまえば少なくとも元の状態には戻ります。(できる限り、避けたい事態ですが。)
こういった事態を避けるため、カウンセリングの段階でシミュレーションソフトなどを用いて、できる限り詳細に、術後に起こりえる形状の変化についてはお伝えするようにしています。(鼻翼自体の硬さや基部の内部の状態など様々な条件で結果が変わるため、予測が難しい部分もありますが。)
すこしマニアックな手術ですが、適応がある方に行うと本当に雰囲気がよくなり、とても喜んでいただけます。
一度ご相談にいらしてみませんか。
クリニックに相談する鼻翼基部プロテーゼ(貴族手術)について詳しく知りたい方はこちら
究極のシミュレーション!? PART1 修正手術について
ヴェリテクリニックの大きな特徴の一つは、他院の修正手術が多いことです。その日カウンセリングにいらっしゃる方の半数以上が、修正のご相談ということも珍しくありません。
修正にもいろいろあって、気の毒になるくらい不自然になっている方もいらっしゃれば、特に不自然という訳では無くても、以前の手術の結果に物足りなさを感じていて、もっと大きな変化を望んでいらっしゃる方もいます。
物足りなくてもっと・・・ という方の治療には、それほど困ることはありません。もちろん、ある程度限界があるのは事実ですが、より良くなるために何かしらの治療をさせていただけると思います。
修正手術で一番厄介なのは、やりすぎてしまっている状態を戻したいというケースです。やりすぎてしまっているといっても、単にシリコンプロテーゼで鼻が高くなりすぎているくらいだったらそれほど問題はありません。今入っているプロテーゼを抜去して、それより小さいものに入れ替えるだけで済みます。こういった、何かを入れてサイズや形を変えた治療の後の修正は、それほど難しくありません。例えば、鼻先を前や下に伸ばす鼻中隔延長という手術は、自家軟骨を鼻先に移植する治療で、かなり手間のかかる高度な手術ですが、気に入らなければほぼ元通りに戻すことも可能です。
骨セメントを用いた額形成なども、多少手間と時間はかかりますが修正可能です。
何かを入れる治療で意外とシビアなのが、フィラー治療(注入療法)です。フィラー治療とは、ヒアルロン酸などを注射で注入して形状を変える治療です。
注射だけで治療が終わるもっとも簡単な美容外科治療のひとつですが、これがちょっと曲者です。以前のブログで、フィラーは吸収されるものが良いとお話ししましたが、吸収されないフィラーを注入して希望していない形になってしまうと、シリコンなどの固形物と違って、取り除くのが非常に困難です。
形だけの問題ならまだしも、アレルギー反応を起こしてしまうと、一生これに苦しめられることにもなりかねません。30年以上前に顔や手に注入されたシリコンジェルのアレルギーで、いまだに苦しんでいる患者さんもいます。最近でも、海外美容ツアーなどで得体のしれないフィラーを注入されて、取り除けずに困っている方が結構いらっしゃいます。
目の周囲の手術もやりすぎてしまうと少し厄介です。たとえば、目頭切開で目頭が開きすぎてしまった場合、蒙古ひだ形成という蒙古ひだを作る手術を行います。ただし、完全に元のレベルまで戻る訳ではありません。
特に、内田法などの皮膚切除を伴う手術の後の修正では、半分も戻りません。ただし、全く歯が立たない訳ではなく、最近は下まぶたの皮膚を利用する手術でさらに大きく戻すことが出来るようになりました。(手間と時間はかかります。)
もうひとつ、目で厄介なのは、全切開などの切る二重の手術で幅を広げすぎているケースです。以前は「一度切開法で広くしすぎてしまった二重は狭くできない。」と言われることもありました。(最近でも、そうおっしゃるドクターがいるようです。)ただしこれも、手間はかかりますが、脂肪移植などを組み合わせることで、最近は結構きれいに戻すことが出来るようになりました。
サイズを小さくするタイプの手術のやりすぎの修正には、非常に困難なケースが多く存在します。サイズを小さくする手術とは、たとえば骨切りのような小顔手術や脂肪吸引などの痩身治療です。
小さくするということは、元々そこにあったものをとってしまっている(減らしてしまっている)ということなので、当然、簡単に元通りにという訳にはいきません。たとえば、脂肪吸引で脂肪を取りすぎてしまった後の凹みや癒着、でこぼこは修正が非常に困難です。また、エラなどの骨を削りすぎてしまった後の修正も大変です。
ただし、こういった修正も技術の進歩により、以前に比べればかなり対応できるようになりました。たとえば、脂肪吸引後のでこぼこや凹みに対しては、超音波を用いた吸引(ベイザー脂肪吸引)や、コンデンスリッチファット注入(脂肪注入)などを用いて、かなりきれいに修正できるようになりました。

骨の削りすぎに対しても、事情が変わってきました。以前はフィラーやシリコンプロテーゼによる修正くらいしかできず、自然な形状という意味では限界がありました。それが、最近では3DCTのデータから3Dプリンタで骨格モデルを製作することで、削りすぎてへこんでいる部分にぴったり合う形状の骨セメント(骨の代わりになる材料)を作り、骨の自然な形態を再生することができるようになりました。
そういう訳で、こういった「小さくするタイプのやりすぎ症例」についても、以前に比べれば、取り返しのつかないケースは減っていて、何かしらの修正手術を行えるケースが増えています。
でも、そうでない治療も存在します。つまり、取り返しがつかない状態ということです。その代表的な手術の一つが「鼻翼縮小」で小鼻を小さくしすぎてしまっているケースです。鼻翼縮小は、基本的には小鼻の一部を切除することで小さくする治療です。(糸を入れ小鼻を寄せるだけの治療もあります。)日本人には、小鼻が目立つことを気にする方が多くいらっしゃいます。
でも、意外と小鼻の大きさ自体に全ての原因があることは少なく、鼻柱が短いことや、アップノーズ、鼻翼の厚み、鼻翼の縦の長さ、鼻孔縁(鼻の穴のカーブ)の形態など、他に原因があることが少なくありません。こういった方が鼻翼縮小だけを行っても、当然期待しているような効果が出ません。効果が出ないだけならまだしも、切除しすぎると非常に不自然な形になってしまいます。
鼻翼を必要以上に切除しすぎてしまうと、鼻翼の持つ自然な丸みが無くなり、下に引っ張られたようなひきつれた小鼻になってしまいます。鼻尖との境界も不明瞭になり、却って鼻先が大きく見えてしまうことも少なくありません。鼻の穴も不自然なほど小さくなってしまい、中には小指も入らないほど小さくなってしまっている方もいます。
鼻に限らず言えることですが、顔は全体のバランスで成り立っているものなので、一つの治療に拘りすぎて良いことはありません。ですから、一度に限界を超えて鼻翼縮小をするのは論外ですし、一度鼻翼縮小を行い、思ったような効果が出ない場合、他の治療に目を向けるべきです。ですが、初めての治療なのに、とにかく限界まで小さくしてほしいと希望される方は結構多くいらっしゃいますし、一度鼻翼縮小を行って期待した効果が得られない方の多くは、鼻翼を切った量が足りていないと考え、さらに鼻翼を小さくすることを希望されます。できあがった形が気に入らない場合に手術前の状態に戻せる治療であれば、ご本人の希望どおりに手術してもいいのかもしれません。でも、一旦切除した鼻翼は二度と戻りませんので、小さくなりすぎて不自然になっても一生そのままです。これが、骨などの見えない部分であれば、先ほどお話ししたように、別の材料で作ることも可能ですが、小鼻のように見える部分はそういう訳にもいきません。
交通外傷などで明らかに変形や欠損した状態なら有茎皮弁なども考えられますが、こういった治療で自然な形態の小鼻を作るのには限界があります。ですから、どんなにご本人が強く希望されても、ドクターが、それによるリスクや術後の状態を正確にお伝えして、そういう無理な手術を止めるべきなのですが、手術自体はただ切り取るだけの簡単な治療であるため、安易に引き受けてしまうドクターやクリニックがあるのも事実です。
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“ 頬骨セットバック-008 究極のシミュレーション!? PART2 一度体験してみませんか?
ただし、ドクターがどんなに止めても、「どうしてもやってほしい」とねばる方もいます。当院にいらっしゃる方の中にも、そういった方が少なくありません。
その場合は、シミュレーションなどで術後の形態をお見せして、「こんなに不自然な鼻になるよ。」とやめるよう説得を試みます。でも、シミュレーションのバーチャルな画像ではいま一つ実感が湧かないのか、それでもあきらめない方がいらっしゃいます。我々がお断りしても多くの場合、引き受けてくれるクリニックを捜して、結局手術を受けてしまいます。
どんなに不自然になってしまっても、ご自分が満足されていれば良いのですが、たいていの場合やった後に、「こんなはずではなかった。」と後悔されます。手術前に、もっとリアルに術後の状態を知ることができれば、こんな不幸を避けられるかもしれません。
という訳で、最近新たに試みていることがあります。近頃は、頬骨やエラといった顔の骨の手術をする際、3DCTで立体データを作ることで、実際の骨と全く同じ形、サイズの模型を作ることができます。

ヴェリテクリニックでは、骨切りや額形成といった輪郭の手術の際に、こういった立体模型を制作してくれる会社(SONYの系列会社です)にお願いして、骨格模型を作っています。より精度の高い手術をするために、非常に有効な手段です。この技術を用いて、鼻の立体モデルを作っていただきました。

次のは中身ではなく表面の形状のモデルです。このモデルは、骨格模型のように硬い素材ではなく、人間の皮膚に近い弾力のシリコンでできています。
いろいろな種類のシリコンで試作して、感触や弾力が人間により近いものを選んだので、色こそ違いますが、触ると本当に人間の鼻の感触です。(写真では、この部分が伝わりにくくて残念です。)

どうしてこういった素材で作るかといえば、これを用いて実際と同じように手術を行いたいからです。実際の手術と同じようにデザインし、同じメスを使って切除すると本当に術後の形態を作ることが可能です。上の左の写真には、既に鼻翼縮小のデザインが描かれていますが、これに沿って切開したのが下の写真です。
両横に載せてあるのは、切り取った部分ですが、実際の手術で切除した鼻翼の皮膚もこんな感じです。残った断端をつなげると手術の完成です。

今回お見せする写真はピンで固定しているだけなので形が分かりにくいのですが(すみません)、最終的にはシリコン用の接着剤でつないで本当の術後と同じ状態にできます。
まさに、究極のシミュレーション!
そこまで言うのはちょっと大げさかもしれませんが、本当にリアルに再現できます。「そこまでする必要があるの?」という声がどこからか聞こえてきそうですね。でも、後戻りできない治療だけに、手術前の段階で、手術した後の状態を知ることができるのは本当に有意義であると思います。
ちなみに、鼻翼というのは立体的な構造物であり、人それぞれ大きさや形も大きく異なります。ですから、どの部分をどの程度切除したらどういった形になるのかということを正確に予測するのは、我々ドクターでも難しく、経験を要します。そういう意味では、このシリコン製モデルは若いドクターの手術の練習用にも役立つかもしれません。それと、鼻翼の治療に限らず、ご自分の鼻を客観的に見て評価したいというマニア(?)の方にもお勧めです。
