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目もとに年齢を感じやすい?美容外科でできる目の周りのエイジングケア

この記事の監修|
前田 医師
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クマのできる原因

「気になるのになかなか治せない!」「コンシーラーで隠し続けているけれど、いったいいつになったら消えるのだろう?」などと悩んでしまう人が少なくないのが、目の下のクマですよね。
自分なりに対策したつもりでも、目の下のクマがなかなか消えないのはなぜなのでしょうか?
代表的な例として、以下のような原因が考えられます。

・寝不足で血行が悪くなる
・目の下に余分な脂肪がついている
・目の下の皮膚が生まれつき薄い
・目の下の皮膚がたるんでしまっている

それでは、それぞれの原因に対して、クマの生じる仕組みと、美容外科などでできる対策を確認していきましょう。

 

寝不足や飲酒、寒さなどのために血行が悪くなる

目の下のクマの原因の一つに、血行が悪くなることが挙げられます。

短時間の睡眠で足りてしまうショートスリーパーの方でも3~4時間程度は寝ないと疲れが顔に出てしまいますよね。
例えば、いつもはほんのりと赤みのさす頬が色を失い、肌や唇が薄く黒ずんだような色合いになってしまいます。もちろん、目の下にもくっきりと灰色や青黒いクマができてしまいます。

睡眠不足だけでなく前夜に多めに飲酒してしまったり、就寝時に身体が冷えてしまったりした場合も同様で、このような状態になるとやはり血行が悪くなります。

血液の色合いには差があります。肺で取り入れられた酸素を含む動脈血は鮮紅色で明るい色をしています。一方、酸素を細胞に受け渡した静脈血は暗赤色で黒っぽい色に変わります。

血行が悪くなると、新鮮な酸素を取り入れて身体の各部に運ぶ流れが滞ってしまいます。すると、酸素をほとんど含まない静脈血がたまりがちになってしまいます。暗赤色の血が顔色などを悪く見せているのですね。

目の下のクマの黒さとは、酸素不足の血液を含む筋肉の色が皮膚を通して見えている状態なのです。

対策
血行の悪さから来る目の下のクマの対策として、まず試していただきたいのは休息です。無理を重ねてしまってはクマだけでなく肌などの調子も悪くなってしまいます。水分をよく取って、不足した睡眠時間で回復できなかった疲れを解消しましょう。

また、目の周囲の血行がよくなるように、マッサージしたり温かい濡れタオルをあてがったりしてもいいでしょう。

 

目の下に余分な脂肪がついている

目の下のクマの原因として考えられる理由の2つめは、目の下の余分な脂肪です。

目の周りには上下のまぶたを動かすための筋肉があります。「眼輪筋(がんりんきん)」と呼ばれています。

加齢とともに眼輪筋の筋力が失われていくと、それまで筋力によって押しのけていた目の周りの脂肪が支えきれなくなってしまいます。特に、目の下の「目袋」の位置にある「眼窩脂肪(がんかしぼう)」が少しずつ増えていき、顔の表面に凹凸を作ります。

できた凹凸に光が当たることで影ができ、血行不良によってできたクマのように見えてしまうのです。

対策
目の下の脂肪によるクマのような影の対策として美容外科が提供できるのは、「下眼瞼脱脂術(かがんけんだっしじゅつ)」という眼窩脂肪を除去する手術です。

手順は以下のようなものです。
まず、下まぶたの裏側を切って眼窩隔膜を開きます。見つかった脂肪を取り除き、凹凸をならします。
脂肪の除去が終わったら、最後は溶ける糸で縫合します。
抜糸は必要ありません。

基本的に入院の必要はありません。しかし、内出血や腫れが出る場合があります。個人差により、仕事などをお休みしなければならなくなる点にはご注意ください。

なお、下眼瞼脱脂術では膨らみが残るなどのトラブルが生じる場合があります。詳細については下眼瞼脱脂術のページの一覧をご参考ください。

 

目の下の皮膚が生まれつき薄い

目の下の皮膚が生まれつき薄いことも、目の下のクマができる原因になり得ます。皮膚が薄いために、皮膚の下の筋肉が透けて見えしまうのです。

対策
皮膚が薄い場合のクマ対策として、美容外科でできる治療として、以下の3つの方法が代表的です。


1.セルグロース
セルグロースはエイジングケア手法の一つでもあります。

自分の身体から採取した細胞を培養して、真皮の繊維を形成する元となる真皮線維芽細胞を取り出し、これを皮膚の薄い部分に注入します。

注入した真皮線維芽細胞が滞りなくコラーゲンなどを産生できれば、皮膚の下層部分である真皮の部分の構造を支え直し、肌にハリを取り戻せます。2回以上の注入が基本で、厚みがかなり必要という場合には3回以上必要になる場合もあります。定着したご自身の細胞がコラーゲンを再生する期間は、3年~5年程度です。

真皮に厚みが戻れば、皮膚を透けて見えてしまっていた筋肉の黒ずみが見えづらくなります。肌の凹凸やシワなどの対策にもなりますよ。

セルグロースのダウンタイムには個人差がありますが、腫れや内出血が出た場合でもお化粧で隠せる程度です。自身の細胞を使うため、アレルギーの心配はありません。


2.PRPの注入
セルグロースは真皮線維芽細胞の培養に時間がかかる点が難点です。もし手早く治療をしていきたい場合には、PRPという手法も選択肢とします。

PRPでは自己血から血小板を採取し、気になる部位に注入するという治療法です。血小板が注入されると、周囲の細胞に働きかけて注入した部分を修復しようとし、皮膚にハリや厚みが出る、という流れです。

ダウンタイムは1週間程度です。1週間から半年で皮膚の修復が起こり、個人差はあるものの、数年間持続します。

自己血を用いることにより自然な仕上がりになり、持続時間も長めです。ただし、1回での変化に個人差が大きい点や、一度だけでなく半年~1年に1回のペースで繰り返して施術しなければならない点には注意しなければいけません。

なお、注入により、感染して熱感・痛み・腫れ・赤みなどが生じる場合があります。この場合は内服薬や抗生剤の投与、稀ですが切開により膿を取ります。


3.ヒアルロン酸の注入
目の下の膨らみを作ればいい、ということからヒアルロン酸の注入でもよいと思われるかもしれません。

しかし、セルグロースやPRPと比較するとより慎重に検討する必要があります。目の下の皮膚の薄さを解消することはできても、透けて見えていた筋肉・血液の色はやはり見えてしまう恐れがあるためです。

ヒアルロン酸は無色透明なので、浅い位置に少量注入するだけでは皮膚の下の筋肉等の色は防げませんし、浅い位置に多量に注入しても、逆にヒアルロン酸のために皮膚が青黒く見えてしまう場合があります。

こうなっては逆効果であるため、注入を深い位置にする、注入位置を入念に選ぶなど、より配慮せねばなりません。

ヒアルロン酸は他の2つに比べて手軽というわけではないという点にはぜひご注意いただけたらと思います。

なお、ヒアルロン酸で起こるトラブルとしてアレルギーや感染などがあります。より詳細にわたるご紹介はヒアルロン酸のページをご参考ください。

 

目の下の皮膚がたるんでしまっている

肌は表皮の下に真皮のある二層構造になっています。

この真皮部分には、皮膚の構造の骨組みにあたる繊維のコラーゲンや、コラーゲンの内部を満たすエラスチン、ヒアルロン酸が存在しています。

コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸も肌の表層と同じように定期的にターンオーバーしています。しかし、加齢とともに産生が滞ってきてしまいます。細胞により働きがまちまちになってしまうこともあります。

肌がたるんでいるように見えたり、凸凹したように見えたりするのはこのためです。肌のたるみや凹凸でできる陰のために、血行不良で目の下にクマができたように見えてしまうのですね。

また、加齢とともに眼輪筋が押さえ込めなくなった目の周りの脂肪が皮膚を押し出してたるませている、という一面もあります。

皮膚のたるみの対策では、伸びた皮膚と目の周りの脂肪という問題の有無を、それぞれ診察で見極めねばなりません。

対策
美容外科では、目の下のたるみに対して、目の下の皮膚が薄い場合と同様の手法を用います。先ほどご紹介したセルグロースやPRP、ヒアルロン酸の注入がそれです。

しかし、目の下の皮膚のたるみが大きく、しわが寄ってしまっているようなケースとなると、セルグロースなどで再度皮膚にふくらみをもたらす結果が得られたとしても、十分とは言えません。

なぜなら、皮膚のふくらみによって陰ができるという、目の下に余分な脂肪がついているケースと同様の問題が新たに生じる恐れがあるためです。

このため、目の下の皮膚のたるみが大きい場合には、「下眼瞼切開術」という手術も選択肢として検討します。

下眼瞼切開術は、目の下を切開して目の下の余分な皮膚を切除してシワを伸ばす手術です。
脂肪も同時に取り除きますが、一部はクマの原因となる下まぶたの溝部分に移動してへこみが浅くなるようにします。

ヴェリテクリニックの下眼瞼切開術は、一般的な下眼瞼切開術と異なります。目の下の脂肪を押さえ込めるように、目の下の皮膚と眼輪筋を同時に引き上げるのです。

なお、下眼瞼切開術では、白目の腫れなどのトラブルが生じることがあります。詳細は下眼瞼切開術のページの一覧をご参考ください。

以上、目の下のクマができる仕組みを、原因の種類別に対策も解説しながらご紹介してきました。ご自分のクマの理由として心当たりはあったでしょうか?

現代人は、忙しい暮らしや年々問題となっている気候変動による厳しい暑さ・寒さによって、疲れがちの生活を送っています。十分に野菜等から栄養分を取れていない方もいるのでは? まずは生活をリセットしてみることも大切です。

もちろん、生まれつきの問題や加齢が原因とわかっている方は、ご自分に向く治療法の確認でもかまいませんので、お気軽に受診の上ご相談ください。

→下眼瞼脱脂術はこちら