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カウンセリングを受けるときのコツ?

名古屋院 李 院長 プロフィールはこちら

先日カウンセリングした時のこと

李政秀

先日カウンセリングにいらっしゃった方がこんな愚痴をこぼされていました。

「ここに来る前、別のクリニックにカウンセリングにいったら相談内容と全然違う部分の治療の話をされてとてもいやな気分になった。」

どうやら二重の相談に行ったのに、顎の治療を進められたようです。

これは同じ美容外科医として非常に耳の痛い言葉です。私も確かにカウンセリングをしていると、ご相談の内容と全く違うパーツで 「ここが変わるととても素敵になるのに」 と伝えたい衝動に駆られる事はよくあります。特にそれが相談内容よりもっと簡単に出来ることだったりすると、お話しするべきか本当に悩みます。

ただし、ご本人が気にされていない部分を指摘する事ことは新たな悩みを作ってしまう事になりかねず、その方のためになることとは限りません。 一般医療と違って美容外科には明確な診断基準や治療の適応というものはありません。

カウンセリングを受けるときのコツ

その方以外の人にとっては全く気にならない些細なことでもご本人が気になればそれは手術の適応になる場合もありますし、逆に周囲の方のほとんどが指摘したくなるような事もご本人が気にならなければ全く手術の適応にはなりません。

そういう視点に立つと、先ほどのケースではご本人が希望されない限り、余分な事をお伝えする事は原則あってはならないことだと思います。
でも、美容外科にいらっしゃる方の中にはご自分でもはっきりとこの治療がしたいと決まっているわけではなく、ただ漠然と美しくなりたいと思ってご来院される方も少なくありません。

「おまかせで」でもいいんです

もしも、どんな治療をすれば良いか分からず悩んでいる方がいらっしゃれば、カウンセリングの予約の時や当日でも良いので、その事を伝えていただけるととても助かります。「おまかせで」といわれると気合が入る寿司屋の親方と一緒(?)で、そういったカウンセリングの場合、ドクター側も多分いつも以上に力が入ります(少なくとも私は)。

カウンセリングを受けるときのコツ

「どうすればその方の個性を生かして、今以上に可愛く(美しく)できるか」

それをあらゆる角度から真剣に考えてカウンセリングに臨むので、通常より少しお時間が必要になると思います。ですからカウンセリングの予約の段階でそういった希望を伝えていただけると、余裕を持った予約の枠をとることができて助かります。

そして、こういったカウンセリングではご自分では想像もしていなかった内容になる事も多いので、できればコンピュータによるシミュレーションを用いて言葉だけでは伝わらない部分を映像で確認して頂く方が良いです。お話の段階ではあまりにも突拍子のない話に聞こえて戸惑った表情をされている方でも、その変化をシミュレーション画像で確認すると大抵納得されます。

もちろんこんなおおげさな話で無くても、通常のカウンセリングの最後に  「他にすると良い治療はありますか?」 と聞いて頂くだけでワンポイントアドバイスは十分できると思います。それがそれまでのカウンセリングの内容よりお勧めの治療だと、ついつい話が長くなってスタッフに叱られる事が多少問題ですが!

手術する部位や術式をご自分で決めてカウンセリングにいらっしゃる方

「○○という手術をしてください。」

「○○法でお願いします。」

李政秀

こんなふうに手術する部位や術式をご自分で決めてカウンセリングにいらっしゃる方は少なくありません。 ドクター側としては、ある意味楽なカウンセリングであるとも言えます。

「分かりました。では手術日はいつにしますか?」なんて話を進められればこんなに簡単な事は無いのですが、残念ながらそういう訳にも行きません。

どこをどんなふうに変えたいのか。どんな雰囲気になりたいのか。こういった情報をなるべく具体的にお聞きしないと、場合によっては大変なことになってしまいます。

たくさんの情報を集めながらカウンセリングを進めていくと、実は最初にご本人が決めていらっしゃった手術では希望されるイメージにならない、つまり手術の適応が違っていることが判明するケースが非常に多くあるからです。

不満足な結果は「手術適応の間違い」

美容外科での手術後のトラブルや不満足な結果のかなりの部分はこういった「手術適応の間違い」によって生じます。 つまり手術の技術的な問題ではなく、目指すゴールにはもともとどんなに頑張っても到達しない手術を選択してしまっていたという事です。これはドクターと患者の双方にとって、ある意味もっとも不幸な結果と言えます。

不満足な結果は「手術適応の間違い」

最近はカウンセリングにいらっしゃる前に、雑誌やインターネットの情報を元に非常によく勉強されてくる方が増えてきました。従来であれば一から説明しなければならない事をかなり省略できるのでカウンセリングする側にとっては非常にありがたい面もありますが、「知っている」=本当に「理解している」と決めて話を進めてしまうと思わぬ落とし穴にはまってしまいます。

特に治療の適応については、別の方に当てはまる事が自分にも合うとは限りません。最近はクリニックのホームページなどにモニターのビフォーアフターの写真がたくさん掲載されていますが、自分では似ていると思っているモニターも、適応となる手術となると全く違うという事は少なくありません。自分では気がつかない、もしくは大した問題にはならないと思っていた僅かな差が、手術の適応を大きく左右することもあります。

それ以外にも、実際の手術手技や術後経過など、よくよく話を聞いてみたらカウンセリング前にイメージしていたものと全然違っていたなんてことは日常茶飯です。知っていると思っていることも一旦心の奥にしまってゼロから話を聞かれたほうが、クリニックに足を運んだ意味が出ると思います。だからといって、一方的に話を聞けばいいというものでもありません。

一番大切なのは、目指すゴールを具体的に伝える事

カウンセリングを受ける上で一番大切なのは、自分のなりたいイメージ、目指すゴールをできるだけ具体的にドクターに伝える事です。もしそれが言葉では表現しにくいものであれば、より具体化するためにイラストに描いたり、イメージに近い方の写真を持参するのも良いと思います。(恥ずかしいなんて考えるのはナンセンスです!)

もちろんイメージ以外の情報を伝えることも大切です。これは自分が許容できる手術のレベルや術後に休める期間といった情報です。これも出来る限り具体的に伝える努力が必要です。例えば手術のレベルであればプチ整形のレベルまでなのか、少しくらいなら切開する事も可能なのか、どんな手術をしてでも目標に近づきたいのかなどです。 術後についても、どの時期にどの程度脹れが引いていればいいのか、メイクすれば隠せる程度で良いのか、一緒に暮らす家族に分からないレベルまででないといけないのかなど、とにかく細かく伝えるに越したことはありません。

カウンセリングを受けるときのコツ

どんな治療をすると良いのかを考えるのはその後です。限られた時間で上手に伝えられるよう、カウンセリング前に出来る限りこれを整理し、まとめておくことは非常に有効です。

もちろん、我々の側でも、そういった情報を正しく理解する努力が必要です。 そのためには、じっくり時間をかけてカウンセリングを行うのはもちろんですが、その方の伝えたいイメージを本当に我々が理解しているかの確認のために、シミュレーションを駆使して治療の結果を画像で見ていただくなど様々な工夫が必要です。

こういったドクターと患者双方の努力で同じゴールを見据え、これを目指すことが、良い結果への第一歩につながると思います。