
この記事の監修
仲宗根 医師
ヴェリテクリニック 医師
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加齢とともに現れる「ほうれい線」。
見た目年齢を大きく左右するため、ほうれい線を改善するために美容医療を検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで注目されているのが、メスを使用せずダウンタイムも短い人気の施術「糸リフト(スレッドリフト)」です。
しかし、ネットやSNSを検索すると「糸リフトはほうれい線に効果がない」「長持ちしない」という声もあり、真意が知りたいところですよね。
そこで本記事では、糸リフトがほうれい線に効果があるか、効果がないといわれる理由、長持ちさせる方法について解説します。
ヴェリテクリニックで行う糸リフトの特徴やよくある質問にもお答えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
糸リフトはほうれい線を薄く見せる効果がある

糸リフトは、「ほうれい線に対して一定の効果が期待できる」治療です。
その理由は、コグと呼ばれる棘(トゲ)のついた特殊な糸を皮下に挿入し、ほうれい線の原因となるたるみを物理的に持ち上げる治療だからです。
- たるみによるほうれい線を軽減できる
- 肌のコラーゲン生成を促す
- フェイスライン全体が若々しく見える
糸リフトで全体的に引き上げるため、頬のたるみによって起きている口元の段差が軽くなり、施術直後からほうれい線が目立ちにくくなります。
また、挿入によって皮下組織が刺激されて肌内部でコラーゲンやエラスチンの生成を促すため、肌のハリと弾力をアップさせる効果があります。
そのため、うるおいやハリが不足が原因のほうれい線や、未来のたるみ予防としても効果的です。
他にも、フェイスライン全体が引き上がり引き締まった印象になるため、ほうれい線が目立ちにくくなります。
糸リフトの効果については、下記の記事でも紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
「糸リフトはほうれい線に効果なし」と言われる理由

糸リフトはほうれい線に効果がある治療ですが、一方で「効果がない」という声も目にします。
その代表的な2つの理由として下記があります。
糸を挿入する角度に制限がある
糸リフトは皮膚の下に糸を挿入して物理的に引き上げる施術ですが、挿入できる角度には制限があるため効果に差があります。
- 糸リフトは間接的に改善する施術
- 糸の種類や挿入位置によって効果が異なる
- ほうれい線全体を垂直に引き上げられない
糸リフトは、ほうれい線に対して「間接的に」アプローチして目立たなくしている施術です。
理由は、口元のたるみの方向と糸リフトの挿入方向に注目してみるとわかります。
ほうれい線とは、頬の下の部分の脂肪が垂直方向に向かって下垂し、口元に溜まったたるみが段差となって目立つ現象です。
一方、糸リフトは頬やフェイスラインに糸を引っ掛けて、こめかみに向かって斜めに引き上げてほうれい線を目立たなくさせています。
そのため、糸の挿入位置によって働く力が異なり、効果を感じにくい場合があります。
「それなら、ほうれい線に直接糸を挿入すればいいのでは?」と思いがちですが、垂直に引き上げるには目の下から挿入する必要があります。
しかし、目の下は皮膚が薄く固定が不可能であるため、ほうれい線を直接的に引き上げることは困難です。
糸リフトの治療において医師の経験や実績が重要である理由はここにあり、限られた挿入場所で効果的に結果を出せるクリニック選びがとても重要になります。
原因がたるみだけではない場合がある
ほうれい線の原因は「たるみ」だけではなく、骨格や皮膚の厚み、皮下脂肪の量や表情筋の動きも関係しています。
例えば、以下のケースでは糸リフトで十分な改善が難しい可能性があります。
- 皮下脂肪が少なく骨格の影響でほうれい線が目立つ
- 表情筋のクセでシワが深く刻まれている
- 肌のハリや弾力が低下し、シワが固定化している
糸リフトは、ある程度の皮下脂肪があり、頬のたるみが口元に溜まっているほうれい線には効果的です。
しかし、脂肪が少なく骨格の影響が大きいほうれい線の場合は糸リフトで引き上げても効果は薄く、その他の治療も視野に入れて相談する必要があります。
また、表情筋のクセでシワが刻まれている場合や、弾力不足により深いシワが固定化している場合も、引き上げだけでは効果が得られないケースがあります。
深い溝のように刻まれたほうれい線には、注入治療も検討してみるといいでしょう。
ヒアルロン酸注入などと併用し、凹んだ溝の部分をふっくらとさせることで気になるほうれい線が目立ちにくくなります。
糸リフトの効果を長持ちさせる方法

糸リフトの効果を最大限に引き出し、効果を持続させるためにはダウンタイム中の過ごし方がとても重要です。
- 1ヶ月程度は口を大きく動かさない
- 血行を促進する運動や飲酒は控える
- 不用意に触れない
挿入した糸が効果的な位置に定着するまでは、安静に過ごすことが大切です。
口を大きく開けると糸が外れることがあり、激しい運動や不用意に触れる行為は傷口の炎症を長引かせるため注意しておきましょう。
他にも就寝中に圧がかからないよう、仰向けで寝るなどの工夫も必要です。
詳しくは下記の記事で紹介していますので、チェックしてみてくださいね。
ヴェリテクリニックの糸リフト

ヴェリテクリニックでは、患者様一人ひとりのたるみの状態や希望に応じて、経験と知識のある医師が最適な糸リフトをご提案しています。
当院で取り扱いしている代表的な2種類の糸の特徴と主な効果を紹介します。
テスリフト
テスリフトは、360°棘(トゲ)のような突起がついた3Dメッシュ構造の糸を使った次世代の糸リフトです。

- 3Dメッシュと組織が一体化&効果が安定しやすい
- 持続性が高い
- 小顔効果も期待できる
テスリフトは、周囲の組織が縫合糸に付着して集まることを可能にするため、従来の糸リフトよりも高い持続効果があります。
挿入された糸は時間をかけて吸収され、組織と一体化してリフトアップ効果が安定するため1〜2年ほど効果が持続します。
また、リフトアップだけでなく3Dメッシュの縫合糸に周囲の組織が付着して肌を引き締めるため、小顔効果が期待できるのも特徴的です。
「ほうれい線を目立たなくする」+「小顔効果」がほしい方にぴったりの治療です。
コグリフト
コグリフトは、特殊なトゲ(コグ)がついた溶ける糸を使用した施術で、皮下組織を引っ掛けることで組織を持ち上げる治療です。

- 強力なリフトアップ効果がある
- ほうれい線やフェイスライン向き
- 美肌効果も期待ができる
360°全体にコグ(トゲ)がついた糸を挿入し、皮下組織に引っ掛けて持ち上げたり、挿入時の刺激により表情筋の緊張を高めたりする施術で高いリフトアップ効果があります。
しっかりと引き上げをするため、たるみが原因のほうれい線やフェイスラインの引き上げにぴったりな糸です。
また、挿入した糸の周辺にはコラーゲンやエラスチンが生成され、お肌のハリやツヤ感、引き締め効果などももたらします。
「ほうれい線対策」+「手軽なエイジングケア」を体感したいという方にぴったりな施術です。
ヴェリテクリニックでは、たるみの度合いやご希望によって柔軟に対応できるよう、素材が異なる2つのコグリフトを用意しております。
糸の種類 | 吸収 | 特徴 | 効果 |
---|---|---|---|
PDO (ポリジオキサノン) | 吸収性糸 (溶ける) | ・体内で6ヶ月から1年ほどで吸収 ・吸収が早い ・短期間で効果が現れる ・持続期間は比較的短め ・術後2~3日腫れる可能性あり | ・高いリフトアップ ・細かいシワの改善 ・美肌効果 ・コラーゲン生成を促進 ・肌の引き締め |
PCL (ポリカプロラクトン) | 吸収性糸 (溶ける) | ・1年ほどかけて徐々に吸収 ・持続期間はPDOより長い ・術後2~3日腫れる可能性あり | ・軽度のリフトアップ ・柔軟性に優れている ・自然な仕上がり ・コラーゲン生成を促進 ・肌の質感を改善 |
糸リフトに関するよくある質問

糸リフトのよくある質問をまとめました。
施術を迷っている方や、たるみが気になっている方はぜひ参考にしてください。
糸リフトは何本ぐらい必要ですか?
糸リフトでしっかり効果を得るためには、複数本の挿入が必要です。
一般的に、片側3〜6本(両頬で6本〜12本)程度挿入する方が多く、たるみの度合いや理想の状態によって本数は変動します。
およその目安本数についてまとめましたので、施術を受ける前の目安にしてみてくださいね。
本数 | 効果 | 年齢層 | 主な目的・効果 | おすすめの部位 |
---|---|---|---|---|
4〜6本前後 (片側2〜3本) | 軽め | 若い方〜40代 | ・軽度のたるみ改善 ・予防的なリフトアップ | ・ほうれい線 ・頬の軽い下がり |
6〜10本 (片側3〜5本) | 中程度 | 30代後半〜50代 | ・フェイスラインの引き締め ・ほうれい線の改善 ・マリオネットラインの改善 | ・頬全体 ・ほうれい線 ・フェイスライン |
10〜14本 (片側5〜7本) | 強め | 40〜50代 | ・頬のボリュームを支える ・たるみを大幅に改善 ・フェイスラインのシャープ化 | ・フェイスライン ・頬全体 ・ほうれい線 |
14〜20本 (片側7〜10本) | 非常に強め | 50〜60代 | ・たるみが顕著な方 ・強いリフト効果を希望 | ・頬 ・フェイスライン ・マリオネットライン ・首 |
「左右1本ずつにしたい」や、反対に「効果をあげたいから本数を増やしたい」などの本数調整は、医師と相談してメリットデメリットを知った上で受けるようにしてください。
例えば本数が少なすぎる場合は、費用は抑えられますが効果も持続期間も下がり、大きな変化は望めない可能性が高まります。
反対に多すぎる場合は、支える力や効果が高くなる反面、内出血のリスクや不自然な仕上がり、違和感が残ることがあります。
リスクを最小限に抑えつつ理想の仕上がりにするためには「適切な本数」の挿入がとても重要です。
状態によっては、その他の治療と併用で理想に近づくケースもあるため、価格だけでなく経験と実績のある医師の診断を受けるようにしましょう。
糸リフトのダウンタイムはどのくらい?
糸リフトのダウンタイムは数週間〜1ヶ月程度を見ておきましょう。
ダウンタイムの日数と症状について、およその目安を下記にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
期間 | 症状の目安 |
---|---|
施術直後〜1日目 | 軽い腫れ・むくみ・鈍痛を感じることがある |
2日目〜3日目 | 内出血が出ることもあるが、メイクでカバー可能 |
4日目〜1週間 | 腫れや痛み、違和感が徐々に落ち着く |
1週間〜3週間 | 違和感も落ち着き、通常の状態に近づく |
1ヶ月後 | 糸がなじみ、自然な仕上がりになる |
糸リフトの施術直後〜3日目くらいまでは、痛みやむくみ、内出血などが現れやすくなります。
大きな腫れや内出血がなければマスクなどで隠せるため、翌日から仕事復帰をしている方も多く、周囲にも気づかれないことがほとんどです。
ただし、この期間は痛みなどがピークになるため、心配な場合は翌日は家でゆっくりできるスケジュールにしておくと安心です。
術後翌日からメイクも可能ですが、クレンジングやスキンケアの摩擦や圧は刺激になるので注意が必要です。
赤ちゃんの肌に触れるように、やさしくお手入れするよう心がけましょう。
まとめ

糸リフトは、ほうれい線の改善に効果的な施術です。
ただし、たるみの度合いや原因によって、その他の治療を含めて検討することも重要です。
- たるみが原因のほうれい線は糸リフトがピッタリ
- 適切な糸の種類・本数・挿入角度を選ぶ
- ダウンタイム中の過ごし方で効果を長持ちさせる
メスによる切開がなくダウンタイムも短い糸リフトは、手軽にリフトアップできる人気の治療です。
しかし、糸リフトの成功のためには経験と実績のある医師の技術力と、ダウンタイム中の患者様の協力が欠かせません。
ヴェリテクリニックでは、カウンセリングでしっかりご要望をお伺いし、経験豊富な医師が一人ひとりに最適な施術を提案します。
ほうれい線治療でお悩みの方は、ぜひお気軽に当院へご相談ください。