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美容外科でボトックス注射を受けるべきではない人は妊婦だけじゃない

この記事の監修|
大橋 医師
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■美容外科でボトックス注射ができない人は妊婦だけじゃない

シワやエラ張りなど、さまざまな悩みにアプローチすることができるのが「ボトックス」です。しかし、ボトックス注射を打つ際に気をつけておかなくてはならないこともあります。今回はボトックス注射の注意点についてご紹介します。

■ボトックス注射とは?

今やプチ整形の代表格と言っても過言ではないボトックスですが、そもそもどのようなものなのでしょうか。ボトックスとは「ボツリヌス・トキシン」と呼ばれるものです。タンパク質の一種で、顔面痙攣の薬として厚生労働省にも認可されています。筋肉麻痺を生じる作用があるため、これを利用して美容外科においてもさまざまな用途に用いられています。

■顔の治療に使われるボトックス

美容外科における顔の治療では、以下のような用途でボトックスは使われています。

・シワ治療
主に眉間の縦ジワ、額の横ジワ、目尻のシワ、鼻根部の横ジワ、唇の縦ジワ、顎のシワなどに使われます。シワ治療にはヒアルロン酸が用いられることもありますが、ヒアルロン酸がへこんで溝になった部分を持ち上げてシワを目立たなくするのに対し、ボトックスの場合は筋肉の収縮を抑えてシワをケアするというアプローチを取っています。

・ガミースマイルの治療
ガミースマイルとは、笑った時に歯茎の大部分が見えてしまうことをいいます。たとえ歯並びがきれいであったとしても、歯茎が覗くのを気にして思い切り笑うことができないという人も多いようです。この場合、ボトックスによって口を開く筋肉の働きをやわらげて歯茎の露出を減らします。

・口角を上げる
口角は、加齢とともに下がってきてしまうものですよね。老けて見えたり疲れて見えたりしてしまうため、なんとかしたいと考える方が多いようです。口角を引き下げる働きをする「口角下制筋」にボトックスを打つと、筋肉の緊張をやわらげて口角が自然と上がるようになります。

・タレ目形成
目尻を下げてタレ目にする際にもボトックスは役に立ちます。目の周りにある眼輪筋というリング状の筋肉にボトックスを打つと、筋肉が弛緩して下まぶたのラインが下がりタレ目になります。また、下まぶたのラインが下がることによって目を大きく見せることも可能です。

・エラを細くする
エラ張りの原因は、エラ部分の骨自体が突出している場合と、咬筋という筋肉が必要以上に発達している場合があります。奥歯を噛み締めた際に耳の下の部分が浮き出るようだったら、エラの原因は筋肉の発達ということになります。その場合は、咬筋にボトックスを打つと、筋肉が収縮しフェイスラインが細くなります。また、咬筋の緊張をやわらげることによって、顎関節症や歯ぎしり対策にもなります。

■体の治療に使われるボトックス

顔だけでなく、体にも打つことができるボトックス。体の治療の際は以下のような場面で利用されています。

・ふくらはぎを細くする
ボトックスは顔以外にも打つことができます。例えばふくらはぎに打つと、悩ましいししゃも足に適しています。ボトックスを打ち、一時的に足の筋肉を使わなくさせることで、自然とすらりとした足にすることができます。

・肩を細くする
筋肉がつきすぎた肩にボトックスを打つと、きゃしゃな肩にすることもできます。この場合、肩の背中側にある僧帽筋という筋肉にボトックスを注射します。たくましい印象の肩をほっそりさせるだけでなく、左右の肩のバランスが悪い方に向いています。

・肩こりの治療
現代病のひとつと言ってもいいほど、悩んでいる人が多いのが「肩こり」です。肩こりの原因は肩から首にかけての筋肉の緊張ですが、これも僧帽筋にボトックスを打つことで緩和できます。ボトックスには、筋肉の過緊張を抑えるだけでなく、痛みを感じる物質を抑える働きを持つ成分も入っています。そのため一層肩の痛みや辛さが楽になるでしょう。

・ワキガや多汗症の治療
多汗症の治療にもボトックスを使うことができます。ボトックスには、匂いのもととなる「アポクリン汗腺」や、汗のもととなる「エクリン汗腺」の働きを抑える作用があります。ワキだけでなく、額や顔、手のひら、足の裏などにも打つことができます。

■ボトックスの施術方法

さまざまな場面で使われているボトックス注射ですが、施術は非常に簡単です。基本的には、注射を打つ箇所に麻酔クリームを塗り、ボトックス注射を打つだけ。注射1本なので短ければ5分、長くても10分あれば完了します。注射後は5〜10分ほどアイシングすれば、そのまま帰宅することができます。シャワーや洗顔、メイクも手術の当日から行うことができるほど気軽な施術です。

術後2〜3日で変化が現れ始め、1週間後には体感することができます。その後、シワの治療やガミースマイル、タレ目治療などの場合は半年ほどすると元に戻ってしまいますが、エラやふくらはぎに注入した場合は残ることもあります。

手軽に行うことができて汎用性の高いボトックス注射。安全性が高いように思えますが、リスクはあるのでしょうか。以下でボトックスのリスクについて見てみましょう。

・内出血することがある
ボトックスに限らず、注射による治療を行うものは、内出血のリスクを伴います。とは言っても、起こるのは10人に1人程度の割合なので、危険性は低いと言えるでしょう。偶発的に注射針が血管に当たってしまうことで起こるもので、軽度の内出血であれば1週間ほどで治ります。たとえ強めの内出血であっても2週間もあれば治るので心配する必要はありません。メイクで隠したり、血流が良くなり過ぎたりしないようサウナや長時間の入浴は避けるなどの配慮をしましょう。

・妊婦は念のため避けておく方がよいでしょう
ボトックスは、妊娠中の方は避けておいた方がいいです。というのも、ボトックスは妊娠中の胎児への安全性が100%保証はされていないからです。通常、どんな薬でも人体実験をして安全性を確かめますが、妊婦は倫理的観点からその実験をすることができません。そのため安全か否かを確証する実験結果がないのです。念のため、ボトックスの注射後は3ヶ月以上経過するまで妊娠はしないよう呼びかけているクリニックも多く見られます。

・男性でも妊活中の場合は避けておきましょう
妊娠をしている方はボトックスの使用を避けるようお伝えしましたが、男性でも妊活中の方は避けておいた方が良いでしょう。ボトックスは美容面だけでなく、多汗症や肩こりなどにも適していることから、男性にも投与される可能性が十分に考えられます。そのため、女性と同様、男性も妊活中の場合は十分に注意しましょう。ボトックスの商品ラベルには、「男性は、投与中及び最終投与後、少なくとも3ヶ月は避妊する」と記されていますが。これは精子が形成される期間にボトックスが投与されるのを防ぐためです。

理論的には、ボトックスは胎盤を通過することができないため、投与しても胎児には届かないとされています。また、妊娠中にボトックスを打ってしまったけれど元気に赤ちゃんが生まれたという事例が数多くあるのも事実です。しかし、確証できるデータがない以上、女性も男性も妊娠の可能性がある場合は避けておいた方が良いでしょう。

通常、美容外科におけるリスクというと女性向けのものばかりが見られますが、ボトックスの場合は汎用性が高く気軽に受けられる施術だからこそ、男女ともに注意しておきたいところです。もし心配なことがあれば、カウンセリングの際に医師に相談するなどして治療に臨みしましょう。