
鼻の修正手術について
鼻の修正手術について考えてみたいと思います。
当院は、他施設での術後の修正手術が多い施設でありますが、
カウンセリングや手術を行っていて思うところがありました。
まず、カウンセリングで
前医で、どんな手術を行ったのか全く分からないという方が、
意外にも多くいらっしゃることをどう考えるでしょうか。
私:「えー、、と前の手術では鼻先に軟骨を移植されてます?」
患:「よくわからないんです、、」「とにかく鼻先をしゅっとしたくて、あとはお任せで、、」
お任せかあ。。
お任せで若い20歳前後で手術を受けた患者さんは、後から修正にいらっしゃる
ケースが多いような気がします。
何を聞いたらいいかわからず、理解してもらうよりも手術を受けてもらうことを優先するカウンセリングでは、若年者は希望だけ大きいまま手術を受けてしまうかもしれません。
あとは、国外で手術を受けた患者さんも、言葉の問題や、アウェー感に委縮して、質問もままならずに手術を受けてくる方が多いような気がします。
日本のように細かな術式ごとの適応を決めていない場合も多く、鼻をセット価格できれいに、、という感じで、細かな内容には触れないケースも多いようです。
結局、手術に対するイメージも、術後に対するイメージもないまま受けてしまうと満足いく結果になるのは難しいと思います。
結論1 お任せすぎるのはよくない
手術にて
他院で手術を受けているけど、細かな内容はわからない、
軟骨は移植されているようだ、、
という情報で手術に臨むことも多いのですが、
実際に中を開けてみると驚くべき状況であることがたまにあります。
ある程度の状況は見慣れているつもりですが、
たまーに、、これはやってはいけないでしょう~
と思う内部になっていることがあります。
それぞれの先生が、それぞれの理論で行っているので、
自分たちの考えが絶対というわけではありませんが、
外してはいけないルールというものは存在すると思います。
私たちが、手術を行う際に気を付けていることとして、
ある程度後戻りが可能な術式を採用しているということが挙げられます。
それは、鼻の軟骨を必要以上に切除してしまったり、
構造的にもろい状態を作ってしまったり、取りだすのに大変な異物を入れないようにしたり、、といろいろあります。
実際に修正を数多く行っていると、カチカチに瘢痕化した鼻を展開するのは、
それほど苦ではありません。
しかし、内部構造が破壊されてしまって、材料が足りず、直すのに非常に苦労する事があります。
たとえて言うなら、家の壁を塗り替えたり、屋根のみを張り替えるなど、部分的なリフォームをするのは容易ですが、
柱がめちゃめちゃ細く削られていたり、柱が何本か抜き取られていた場合に、そこから3階を増設して家を高くしてほしいとか言われてしまうとこれは大変です。
以上から、
鼻の手術を受ける際に考えてほしいことは、、、
①どんな手術を受けるのか
②もし結果が気に入らなかったらどうなるのか
③手術は初回が一番やりやすく、得られる結果も大きい
④修正の難易度は、手術回数もあるがどんな手術を受けたかにもよる
このくらいは理解したいところです。
わたくしは
①に関しては、すべて説明しますし、よくないこともきっちり理解してもらいます。
難しいし怖いからお任せしますという患者さんももちろんいますから、
そこは自分の自己満足にならないように、最低限理解してほしいことにとどめることもあります。
脅かしすぎもよくないですが、分かったうえでそこまで怖がらなくてもよいことを理解してもらうようにしています。
②に関しては、当然修正しますし、修正可能な手術を行っているという自負があるので、これ以上は無理だよ~と最初から匙を投げることはしません。
③に関しては、やっぱりどうしても
「この患者さんを最初に手術したかったなあ、、」
と思うことがあるので書きました。
④は修正も限界があるということです。
鼻をきれいに、高くしたい、形を整えたい。
鼻の手術を望む患者さんのすべてが、よい結果を得て幸せになってもらいたいと日々思っています。