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鼻中隔延長術~第6章 : 鼻整形トラブル 患者様の悩み

第6章 : 鼻整形トラブル 患者様の悩み 目次

鼻の手術を受けたら鼻先が上を向いてしまった患者様の悩み

[他院でプロテーゼ、鼻尖縮小を受けたら鼻先が上を向いてしまった]

他院でプロテーゼ、鼻尖縮小を受けたら鼻先が上を向いてしまった

L型プロテーゼを入れて鼻を高くしてもらったら、鼻先が上を向いてしまった。あるいは、鼻尖縮小を受けて鼻先を細くしてもらったら、鼻先が上を向いてしまった。

そういった原因で上を向いた鼻先を修正したいという希望を、沢山の患者様からお聞きいたします。

[前方へ伸びた分だけ上に向かって縮もうとする]

前方へ伸びた分だけ上に向かって縮もうとする

L型プロテーゼにしろ、鼻尖縮小にしろ、鼻先を高くするような操作を加えると鼻先は上を向いてしまいます。

これはちょっと不思議なことに聞こえますが、なぜ鼻先が上を向いてしまうのかと言いますと、鼻先の皮膚は余裕がなく、前方へ伸びた分だけ上に向かって縮もうとするためです。

また、鼻先を支えている大鼻翼軟骨とよばれる軟骨は頭側から鼻中隔軟骨と外側鼻軟骨によって固定されていますが、その固定が弱いため、鼻先を前に伸ばすと大鼻翼軟骨(鼻先の軟骨)が頭側にずれやすいからです。

L型プロテーゼを受けられたことがある患者様

上を向いた鼻先を延長するにはプロテーゼを抜去します

[プロテーゼの周りにできた被膜組織(カプセル)]

プロテーゼの周りにできた被膜組織(カプセル)

L型プロテーゼのために上を向いた鼻先を修正するにはL型プロテーゼを抜去しなければなりません。

プロテーゼを抜去しても、鼻先は下に動きません。それは、プロテーゼの周りにできた被膜組織(カプセル)が鼻先を上に引っ張っているからです。

[鼻先が硬いケースで肋軟骨を用いた症例]

鼻先が硬いケースで肋軟骨を用いた症例

プロテーゼを抜去し、被膜(カプセル)を切り取りますと、やっと鼻先を下へ伸ばすことができます。

もちろん、下に伸ばすためには鼻中隔延長術が必要です。

以前の手術による瘢痕が強くて鼻先が硬いケースでは肋軟骨を用いるのが適しています。しかし、状態によっては鼻の軟骨でも修正が可能です。

[鼻の軟骨を用いて修正した症例]

鼻の軟骨を用いて修正した症例

鼻筋を通すための手術

上向きになった鼻先を延長したところで、鼻先を再度高くして鼻筋を通す必要があります。もともと入っていたL型プロテーゼをそのまま使うことはできません。

術前の鼻筋が気に入っていらっしゃる患者様では、もともとはいっていたL型プロテーゼをトリミングしてI型プロテーゼにして用いることがあります。

しかし、ほとんどのケースでは鼻中隔延長術によって鼻先の高さが術前と変わりますので、鼻筋の高さも変えた方がバランスがよくなります。

L型プロテーゼの入っている患者様ではどのような鼻筋を希望されるのか相談させていただいております。

今の鼻筋に満足されているのか?もし、満足されていないなら、どのような変化を希望されるのかを具体的にうかがわせていただきます。

例えば、鼻筋の始まりとなる、鼻とおでこの境をもっと上に上げて鼻筋を長くしたいのか、おでことの境を下げて鼻筋を短くしたいのか。

鼻筋の巾に関して、細くするのか太くするのか。横から見た時のラインをストレートか、アップノーズ系のカーブか、わし鼻風のカーブかといった具合です。

鼻尖縮小や鼻尖形成術を受けられたことのある患者様

鼻尖縮小や鼻尖形成術を受けたために鼻先が上を向いてしまった方の修正術はL型プロテーゼの症例より修正が困難です。

というのは、手術によって鼻尖の大鼻翼軟骨が切り取られたり、折れ曲げられたりして変形していますので、延長術で大鼻翼軟骨を引っ張り出す時にきれいに縫い合わせることができません。

また、鼻尖縮小や鼻尖形成術によってできた硬い瘢痕組織のために鼻尖の皮膚が伸びにくくなっています。

先ほども述べましたように、鼻先の瘢痕拘縮が強い患者様では肋軟骨を延長術に用いる必要があります。

鼻中隔延長術によって発生する鼻先の彎曲

鼻先を下へ伸ばしたり、前方に高くしたりするためには大鼻翼軟骨を下方や前方に移動させる必要があります。

それには鼻中隔軟骨を下方や前方に拡大します。

延長前の鼻

[延長前]

延長前の鼻。

まっすぐな軟骨

[まっすぐな軟骨]

まっすぐな軟骨を挿入します。

正常な延長

[正常な延長]

正常に延長されます。

鼻中隔延長術によって鼻先を伸ばしたことによって、鼻先が右か左に倒れてしまうことがまれにあります。

この原因としては、延長に用いた軟骨が弯曲していたために鼻先が真ん中からずれてしまうことがあげられます。

鼻の軟骨を用いて修正した症例

[延長前]

延長前の鼻。

彎曲した軟骨

[彎曲した軟骨]

挿入する軟骨が彎曲していると・・・

鼻の変形

[鼻の変形]

鼻先が曲がってしまう。

特に耳の軟骨は元もとまっすぐでないため、彎曲を引き起こしやすいと言えます。

鼻中隔軟骨は比較的まっすぐな形をしていますが、それでも生まれつきや過去のケガが原因で曲がっていることが時にあります。

もう一つの肋軟骨は厚みが1㎝近くある棒状の軟骨ですが、延長術に用いるためには薄く削る必要があります。

肋軟骨は削ると弯曲する性質がありますので、2枚の軟骨板を重ね合わせて縫いつけることによってゆがみを矯正しなければなりません。

まっすぐに矯正できないまま、肋軟骨を用いると鼻先が曲がってしまいます。

まっすぐの軟骨を用いて延長しても鼻先が傾いてしまうケース

まっすぐの軟骨を用いて延長しても鼻先が傾いてしまうことがあります。それは、左右の鼻尖の軟骨を移植して延長した鼻中隔に縫いつける時に、左右の同じバランスで縫いつけないと傾いてしまいます。

特に、鼻尖縮小や鼻尖形成やL型プロテーゼを受けたことがあるケースでは鼻先の軟骨の周りに硬い瘢痕組織ができています。

その硬さに左右差があると、同じように左右の軟骨を縫いつけても、縮もうとする力に左右差があって鼻先が傾いてしまいます。

また、以前の手術で鼻先の軟骨(大鼻翼軟骨)が傷ついていたり、変形していたりすると、やはり左右のバランスを合わせることが難しくなって、鼻先が傾く危険が高くなります。

軟骨自身の変形

[軟骨自身の変形]

軟骨自身の変形や、鼻先の軟骨の周りに硬い瘢痕組織ができている場合。

まっすぐな軟骨挿入

[まっすぐな軟骨挿入]

まっすぐな軟骨を挿入しても・・・

鼻の変形

[鼻の変形]

硬さに左右差があると、鼻先が傾いてしまいます。

従って、鼻中隔延長術に伴う鼻先の傾きを避けるためには、まっすぐの軟骨を選んで用いる。

また、できるだけ強い軟骨をもちいる。耳の軟骨よりは鼻中隔軟骨や肋軟骨が好ましい。

また、過去に鼻先に手術を受けたことのあるケースでは鼻先の軟骨を縫いつける時に縮もうとする力のバランスを左右で合わせるように縫いつける位置を工夫する。

以上の点に注意して鼻中隔延長術を行わなければなりません。

鼻中隔延長術後に傾いた鼻先はどうすればよいのか?

もし、鼻中隔延長術に受けたことによって鼻先が右や左に傾いた時はどうすればよいか?

  • 曲がった軟骨が用いられている時は、まっすぐの軟骨に置き換える。
  • 移植軟骨の強度が弱い時にはもっと硬い軟骨(耳よりは鼻中隔軟骨、鼻中隔軟骨よりは肋軟骨)に置き換える。
  • あるいは、延長量を少なくする、すなわち、長くした鼻先を短くする。
  • もうひとつ、鼻先の軟骨の延長量を左右で変えて、縮もうとする力のバランスを左右でそろえる。

こういった処置によって、傾いてしまった鼻先を修正することができます。どの方法で行うかは、傾きを引き起こした原因によって選択します。