若い女性の貧血について
全身麻酔術前の採血結果のチェックをしていて気になったことが。
以前から気にはなっていたのですが、
健康な20代の女性に鉄欠乏性貧血が多いこと多いこと。
手術的な治療をお考えの方にはぜひ知っておいてほしいので、今日は
貧血を考えてみたいと思います。
まず、なぜ貧血が問題になるか
①まずまずの出血を伴う手術の場合は、術後に貧血の症状が顕在化することがあります。めまい、吐き気、ふらつき、動悸、息切れなど。
貧血に強い女性にあっても、さすがにヘモグロビンHb7台は危険です。家路で倒れる可能性があります
②創部の治りに影響する可能性がある
傷が治りにくい代表選手として、タバコをよく挙げますが、タバコが悪い理由は、創部の血流を著しく悪くするからです。
血管収縮と一酸化炭素により、創部の組織酸素飽和度(脂肪も皮膚も細胞は酸素がいきわたらないと元気がなくなる)は低下します。
それによって傷の治りが悪くなります。
貧血は組織酸素飽和度に影響し、傷の治りに影響します。
なぜ鉄欠乏性貧血になるか
過度な食事制限や偏った食事による鉄不足、生理による出血が主な原因でしょうか。
当院では術前チェックで貧血の程度、血清鉄、総鉄結合能、不飽和鉄結合能をチェックしており、
鉄欠乏性貧血の疑いが強い患者様には術前に鉄剤内服をすることがあります。
軽度の場合は、ご自宅でサプリメントを取っていただくようお願いするケースもございます。
これらチェックと管理によって術後に輸血になったり、重大な貧血などでの入院などは経験しておりません。(当たり前のことですが)
手術以外にも、肌荒れ、だるさ、疲れやすさ、髪の毛のハリ、など影響する部分は多いです。
日ごろから元気に美しく過ごすためにも、
レバー、あさり、小松菜、ヒジキ、などなどバランスよく食べて、元気に手術を受けていただきたいと思います。