当院はお顔のどの部位の手術もほとんど対応しているため、多種多様な内容のご相談をもった患者様がいらっしゃいます。
額の形、こめかみのボリューム、眉の位置、二重や目そのものの形、眉間、鼻先、小鼻、鼻の穴、唇、輪郭などなど…。
カウンセリング内容も多岐にわたるのですが、ご相談内容にかかわらず、私が気になってしまってどうしても勧めたくなる施術があります。
みなさまはボトックスを打ったことがありますか?
正確にはボツリヌストキシン製剤といいますが、これを表情筋に打つと、抗シワ効果や小顔効果などが得られます。
手軽でダウンタイムもほとんどなく、効果も分かりやすい、という大変優れた治療です。
私がいつも気になっておすすめしたくなるのは、眉間と口角のボトックスです。
なぜ眉間と口角のボトックスをそこまで推すのかという理由について、一番のきっかけは私自身がこれらの施術で大きな効果を感じたからなのですが、その効果はただ単にシワが薄くなるという物理的な効果を大きく超えていると感じています。
眉間のシワと口角の下垂やシワ、これらには共通点があるのですが、何だと思いますか?

それは、どちらも幸せな表情では作られないということです。
どちらも、困る/悲しむ/怒る/我慢するときにできる表情ですよね。
これらの表情って、する機会が少ないほうが良いと思いませんか?
俳優やダンサーの方のような表現をするお仕事を除いて、これらの表情が上手くできなくて困ることはよっぽど無いですし、少なくとも表情の痕跡(要するにシワ)は不要だと私は考えています。
ちょっと困ったり考えたりしただけで眉間がよく動いてシワができやすい方は、実際そこまで不快に感じていなかったとしても、周りに「このひと不機嫌なのかな」と思わせてしまうことがあると思います。
そういった、周りに与える自分の印象をコントロールする目的で、不機嫌の表情を最小限に留めるという効果が持つ意味は大きいと思いませんか?
ところで心理学の理論でジェームズランゲ説と呼ばれるらしいのですが「悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しいのだ」という有名なフレーズがあります。
これは感情が表情を作るという一方通行の流れなのではなく、表情が情動を呼び起こすのだという説で、1880年代から提唱されているらしいです。
たしかに、特に何かが起こらなくても笑顔を作ってみると、なんとなく楽しい気分になりますよね。
逆に、悲しい表情をすると、気持ちが引っ張られて落ち込んでしまうということも起こりえるわけです。
では、悲しい表情をできないようにボトックスを打つと良いのではないでしょうか?
実際に、眉間のボトックスには「鬱状態を改善する」という効果が実証されています。
二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験という非常に信頼性の高い研究も複数出ています。
詳しいメカニズムは未だ解明されていないようですが、うつ病患者さんでは扁桃体(ネガティブな感情を制御する器官)が機能不全かつ皺眉筋は過活動状態に陥っており、ボツリヌストキシンを皴眉筋(や鼻根筋)に打つことで、筋肉からの負のフィードバックが抑制されるために扁桃体の機能不全を改善するのだろう、ということらしいです。
非常に興味深いですよね。やはり表情が情動を変化させうるのでしょう。
私が皺眉筋にボトックスを打ち、その後ボトックスが効いている状態で初めて、何かにムッとした時のことですが、怒っているつもりなのにあまりにも眉間が動かないのがすごく変な感じでなんだか可笑しくなって、怒るのさえアホらしくなってしまったことを覚えています。
口角ボトックスも個人的には同様だと考えています。
口角を下げる表情は、我慢/抑制した不満/困惑などの場合に作られますし、口角のシワはマリオネットラインと重なり年齢を感じさせてしまうので、できるだけ表情もシワも予防したいというのが狙いです。
私は照れ笑いというか苦笑いをするクセがあるので、これを封印する目的でもあります(しっかり笑うことにしました)。
口角下制御筋という筋肉を治療することになるのですが、この筋肉は人によってよく動かすかどうかが結構分かれる気がしていて、適応が無いなと思う方もいらっしゃいます。適応があると、少し微笑んだだけで口角がギュン!と上がるのを結構しっかり実感できると思います。
写真などでも笑顔が明るくみえるようになった気がするので、私は大変気に入っています。
このように、たくさんの効果を感じて自分自身が気に入っていて、かつ価格や侵襲も控えめな施術なので、どうしてもカウンセリング時に気になってしまい、適応がありそうだと思うとどうしても勧めたくなってしまうんです。
ただ、ご相談いただいた内容と全く違う内容を話そうとすると話が逸れてしまいますし、そもそも気にしていない部位をいきなり指摘するのってどうなんだろうとか、その後むやみに気にさせてしまわないかとかが気になって、でも手軽だし一回施術するだけで効果が出るし十分気に入ってもらえると思うんだけどな~と思ったりもしながらも、特に初対面ではなかなか切り出さないことが多いです。
もしこのコラムを読んでいいかも!と思っていただいたら、一度ぜひ試してみてくださいね。
中でも、大学病院などで形成外科を専門とする医師が多く所属する、日本美容外科学会の厳しい基準をクリアし、「専門医」として認定された医師も在籍しております。
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