顔の印象を左右する「鼻」。高くてすっとした鼻筋を手に入れたいと施術を希望している方は多いことでしょう。しかし、もし術後に別の病院でレントゲンを撮ることになった場合、鼻に入れた軟骨やシリコンが写り込んでしまうことはないのでしょうか。美容整形がバレないか心配になることもあるでしょう。そこで今回は、鼻の手術はレントゲンに影響するか否かについて解説します。
歯医者さんでの治療や急な通院、人間ドッグなど、レントゲンやCT、MRIを撮る機会は意外と多いものです。しかし、ひと口に「鼻の整形」と言っても、目的や方法はさまざまです。整形方法によっても、レントゲンの写りやすさは異なるのでしょうか?まずは、鼻の美容整形の施術方法にはどのようなものがあるのかを見てみましょう。
鼻の整形は大きく分けて、出すぎた骨を「削る」手術と、軟骨やプロテーゼなどを「入れる」手術があります。削る手術には、団子鼻や丸い鼻尖をすらりとさせる「鼻尖縮小術」や、下向きに垂れた長い鼻を詰める「鼻短縮」、広がった小鼻の一部を切り取って縮める「鼻翼縮小法」、わし鼻など鼻筋を整える「わし鼻形成」、「鼻骨骨切り幅寄せ」などが挙げられます。
これらの手術は、軟骨を切除したり、余分な皮下脂肪を取り除いたりして縫い合わせるという方法が採られています。そのため、レントゲンへの影響を心配する必要はありません。
一方で、鼻に「入れる」施術が気になるところです。鼻に入れる施術には、隆鼻術、鼻尖形成術、鼻中隔延術、鼻孔縁形成術が挙げられます。以下で、それぞれの方法について詳しくご紹介します。
・隆鼻術
鼻筋を高くすることを目的とした手術。鼻が低くて顔の印象が平面的という方に向いているものです。鼻の内側を3㎜ほど切開して、鼻の骨と骨膜の間にプロテーゼや軟骨、ゴアテックス、ヒアルロン酸などを挿入します。これらはオーダーメイドで作成されるので、自分が希望する細さや太さに近づけることが可能になります。目と目の間から鼻先まで入れることができ、部分的な施術も可能。横顔も美しく仕上げることができます。また、鼻の内側の施術になるため、傷跡がわからないところもポイントです。
・鼻尖形成術
鼻先に高さや長さを出すための施術。耳介軟骨を鼻先に移植して行われます。鼻筋は通っていて鼻先の高さだけが足りないという方が部分的に行うケースが多く見られます。施術の際は、耳の後ろを1〜2㎜程切開して軟骨を切り取り、切開した鼻の穴の中からそれを移植して縫い合わせます。耳の軟骨は1〜2㎜ほどの厚さで程よい柔らかさがあり、緩やかに湾曲しているため、鼻への移植に適しているのです。採取した部分の軟骨が再生することはありませんが、採取したことによって耳が変形してしまう心配もありません。
・鼻中隔延術
小鼻が上を向いている、鼻の穴が見えやすいという方が主に行う施術で、鼻尖形成術と同様、鼻先に軟骨を移植して行われます。こちらの施術では、耳介の軟骨の他、鼻中隔軟骨や肋軟骨が使われます。中でも、鼻中軟骨は平たくて硬さがあることから、延長するための施術には最適です。肋軟骨の場合は、胸の下を切開して軟骨を採取します。その他、軟骨の補助として医療用に処理された保存軟骨や、吸収性のPDSプレートといったものが用いられます。鼻尖を1〜2㎜の範囲で変えたい場合は鼻尖形成術、それ以上の変化を求める場合は鼻中隔延術が適していると覚えておくと良いでしょう。
・鼻孔縁形成術
鼻の穴の形を整えるための施術です。鼻の穴は程よいアーチを描いているのが理想的ですが、鼻孔縁の皮膚側と粘膜側の皮膚が少ないと、鼻の穴が上を向いていたり目立ってしまったりします。施術の際は、足りない部分を継ぎ足すために、鼻の内側を切開して耳から皮膚と軟骨を移植します。
上記の施術法から分かる通り、鼻の美容整形の際に挿入されるものには種類があります。次に、挿入されるものの成分や作りを比較してみましょう。
・自己軟骨
主に耳の軟骨や肋骨の軟骨が使用されます。骨は硬すぎて馴染ませるのが難しいですが、軟骨はある程度の柔軟性があるため手術が行いやすく、多用されています。手術の際は1〜2㎜大に刻んでガーゼや粘膜でくるんで使用されます。
・シリコンプロテーゼ
プロテーゼはシリコンでできたものが用いられています。形にはL型、I型があり、L型は鼻筋とともに鼻尖を整えたい場合に、I型は鼻筋を高くする場合に使用されています。鼻の付け根から鼻先まで、鼻の付け根のみ、眉間から鼻の先まで全体的に入れるなど、方法はさまざま。わし鼻を作りたいという時に挿入されることもあります。適度な硬さと弾力性があるため、使い勝手が良いのが特徴です。
ただし、挿入後、ごく稀に飛び出してしまうケースもあるようです。施術をした箇所が赤く腫れたり盛り上がったりするという症状が表れますが、早めに除去すれば傷跡は最小限に抑えることができます。
・ゴアテックスプロテーゼ
ゴアテックスはしなやかで折り曲げることもできるため、鼻の骨になじみやすいのが特徴です。鼻筋が浮き出たりすることもなく滑らかに仕上がり、形や高さを形成しやすい素材で、他の素材よりもデザインがしやすいという点がポイントです。プロテーゼはしっかりとした鼻筋を形成する際に、ゴアテックスは自然な仕上がりや細かい要望に応える際に使用されることが多いです。
・ヒアルロン酸
手軽に使用できるヒアルロン酸を用いることも可能です。メスを使用しない「プチ整形」とも言われ、もともと体内にある成分なので、身体に物を挿入するのが心配だという方にも適しています。
素材にはさまざまな種類があることがわかりましたが、レントゲンへの写りやすさも異なるのでしょうか?もっとも写りにくいのは耳などから移植した軟骨です。軟骨は多少X線を吸収しますが、ほとんどは透過します。骨と比べると吸収率が低いため、レントゲンには写りにくくなっています。また、移植と言っても、その量はごくわずかです。移植する骨の量から見ても、写りにくいと言えるでしょう。また、鼻にはもともと、大鼻翼軟骨や鼻中隔軟骨などの軟骨が存在しているため、移植した軟骨だけが目につくように写りこむことは考えにくいと言えます。
一方、プロテーゼであっても写る心配はほとんどありません。厳密に言うと、シリコンは空気ではないので、レントゲンやCT、MRIに写る可能性はあります。ただし、実際にレントゲン撮影をする時のことを考えてみると、鼻やプロテーゼが入った箇所に焦点を当てて撮ることはほとんどないでしょう。そのため、多少写る可能性があっても、よほど高性能のレントゲンや鼻だけの撮影でもしない限り気付かれることはないと言えます。歯医者さんでのレントゲンに関しても同様で、歯に焦点を当てて撮影されているため、鼻のプロテーゼが写りこむことはありません。
上記では軟骨やプロテーゼがレントゲンに写ることはほぼないと述べましたが、セファログラムなどの特殊なレントゲンの場合は写りこむケースも考えられます。しかし、たとえ写り込んでしまっても、それが治療の妨げとなるような心配は不要です。
また、レントゲンで整形がバレなくても、挿入したプロテーゼに不具合が生じた時には注意が必要です。前述の通り、プロテーゼが鼻になじまずに飛び出してきてしまうと、施術箇所が赤く腫れたり、炎症が起きたりします。笑うなどして表情を変えると目に見えて浮き出ることもあるため、それによって整形が知られてしまうこともあるのです。
鼻の整形方法とレントゲンなどへの影響を比較しました。施術方法に種類があるだけでなく、挿入する素材にも複数の種類があります。大切なのは、希望の鼻に近づけることができて、かつ写りこみにくいものやバレにくいものを選ぶことです。まずは医師にデザインの希望と不安点を伝えて、納得できる施術方法を見つけることから始めましょう。
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