頬骨は削っても小さくならない!? PART1~頬骨の構造
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頬骨を小さくする手術を一般に「頬骨削り」と表現しますが、私はいつもこの名称に違和感を感じます。なぜなら、頬骨を小さくしたい方の多くが、削るだけの手術ではその希望をかなえることができないからです。

これを説明するためには、頬骨がどんな形をした骨なのかを説明しなければなりません。

頬骨形成(頬骨削り)について詳しく知りたい方はこちら

頬骨の構造

頬骨削り

という訳で、さっそく彼に登場していただきましょう。

頬骨は、頬骨体部と呼ばれる前方部分(写真オレンジ)と頬骨弓部(写真黄色)とよばれる側方部分に分けられます。

つまり、頬骨の前方への張り出しは体部で、横(側方)への張り出しは弓部であるということです。

頬骨削り

これを正面から見るとこうなります。

頬骨削り

さらに横から見るとこんな感じです。

頬骨を小さくしたいという場合、大きくて気になっている場所は、たいてい斜め前方から側方への張り出しです。

もちろん前方への張り出しを小さくしたいという方もいらっしゃいますが、この部分は若々しさやかわいらしさを保つ上で、多少はあった方が良い部分です。

逆に、側方への張り出しは、どんな方でもできれば無いに越したことはない部分です。

頬骨削り

では、頬骨弓部は実際どんな形をしているのでしょうか。分かりやすくするために下から見てみましょう。

頬骨削り

まだ、分かりにくいですね。見易くするために下顎をはずしてみましょう。

頬骨削り

さらにアップに。

どうですか。分かりやすくなりましたね。

頬骨削り

ここで注目していただきたいのは、頬骨弓部の厚みです。わずか5mm程したありません。

この模型は実物大ですが、男性をもとに作られているので、これでも厚いほうです。女性の場合はさらに薄い場合がほとんどです。

頬骨を削ると小さくなる?

では、頬骨が横方向に突出している方は、この部分が異常に厚いのでしょうか。

いえ、多少の厚みの差はあるかもしれませんが、ほとんど変わりません。

では、なぜ突出して見えるのでしょうか。

これは、この弓部のカーブに違いがあります。弓と表現するくらいですから頬骨弓部は弓のように弧状にカーブしています。

これはどんな方でも一緒なのですが、大きく横方向に突出している方はこの弓のしなり具合が大きいのです。

頬骨削り

つまり、頬骨が横に張り出している方はこんな形をしています。

あれ、先ほどの写真との違いがわかりませんか?

頬骨削り

では、二つの写真を重ねてみましょう。

頬骨削り

さらに片側を拡大。

分かりやすくするため、イラスト的に表現するとこんな感じです。

これを見て、何かに気付きませんか。

頬骨削り

さらに片側を拡大。

分かりやすくするため、イラスト的に表現するとこんな感じです。

これを見て、何かに気付きませんか。

頬骨削り
頬骨削り

そうです。

頬骨弓部が大きい方は、この部分を削るだけでは頬骨弓部が小さい方と同じ状態にはならないのです!

それどころかただでさえ薄い骨がさらに薄くなってしまい、とても弱くなってしまいます。

元々頬骨弓部は薄く細いため、スポーツや交通事故で骨折しやすい部分ですから、これがさらに薄くなってしまうのはちょっと怖いですよね。

頬骨体部は厚みがありある程度までなら削っても大丈夫な部分なので、前方の突出だけが気になる方(あまりいません)は削る治療で大丈夫ですが、横方向の突出を小さくしたい方が削るだけの治療を受けることは、その効果と安全性の両方で慎重に考えた方が良いかなと思います。

では、どんな治療であればこの弓部の形を大きく変えることが出来るのでしょうか?




つづきは「頬骨は削っても小さくならない!? PART2~削ってダメなら小さくしましょう」

“ 眼瞼下垂-073 頬骨は削っても小さくならない!? PART2~削ってダメなら小さくしましょう
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削ってダメなら小さくしましょう

前回までのお話で、削るだけの手術は変化が今ひとつであることはご理解いただけたと思いますが、もう一つの術式、つまり切る手術についてお話します。切る手術とは「頬骨形成」。ここで頬骨形成の具体的な術式のお話をしましょう。

頬骨形成

頬骨を小さくして小顔になりたい方の多くは、体部外側から弓部にかけての張り出しを小さくすることを望まれます。

この部分を写真で示すとこの赤く色をつけた所です。

頬骨形成

これを下から見ると、このような感じです。

何度もしつこくて申し訳ありませんが、頬骨が大きい方はこの部分の曲がりが大きいわけですから、削るだけでは元々小さい方のようにはなりません。

頬骨形成

頬骨を小さくするためには、このカーブをできるだけ直線的にする必要があります。

つまり、こんなかんじで黄色のラインで描いたカーブが赤いラインのように直線的になれば良いわけです。

頬骨形成

そのためには、まず前方と側方(横方向)の二か所で頬骨を切り離します。

頬骨形成

この時、単に切り離すだけでなく、前後で一部骨を切除します。(赤い部分)

頬骨形成

そうして小さくなった頬骨を内側に向かってスライドさせていきます。

その時、前後でできた段差は削ってなめらかに仕上げます。

頬骨形成

これによって頬骨は直線的になり、この模型のように本当の意味で小さくなります。

頬骨形成

前回出ていただいたモニターの方は、まさにこの手術を受けていただいています。

それによって、術前大きかった頬骨が、こんな感じですっきりします。

頬骨形成の術式

ここでは頬骨形成の術式について、図解を使って説明していきます。

頬骨形成

さきほどの私の描いたイラスト(+写真)では、頬骨が一旦顔の外に採り出されているように思われた方もいらっしゃると思いますが、これは切る部分をわかりやすくするためのイメージ図です。

実際は頬骨は筋肉としっかりつながっているため、この切るという作業はあくまで顔の中で行っていきます。

この頬骨につなかる筋肉は、手術の際に一旦両端を切られることになる頬骨中央部の血流の供給源としてとても大切です。

そのためこの手術の場合、切る部分の骨以外は極力露出せず、あくまで切るのに必要最小限の剥離を行います。

頬骨形成

この手術の傷は、口の中ともみ上げに出来ます。

もうすこし細かくお話しすると、前方は口の中から上の歯の歯茎のすぐ上を左右2センチ弱切開し、ここからアプローチします。

横つまり外側はもみ上げの中に隠れる部分を約1.5センチほど切開しここから頬骨に到達します。

小さい傷から最小限の剥離で手術を行っていくわけですから、視野も狭くその分高度な技術が必要となります。ですが、最近は使用する機械が非常に進歩したおかげで以前よりもこの作業が行いやすくなりました。

この、一旦切った頬骨は最終的に小さくなった上で、切ったもう一方の断端とつながれるわけですが、この際の固定は基本的にチタンという金属のプレートを用いて行います。このチタンプレートは骨折した骨をつなぐ場合にも用いられるものです。ですから、削って薄くしすぎてしまいいつ折れるか判らないような状態より、よほど安定していると思います。

頬骨を小さくする際の問題点として、「たるみ」があります。頬骨が顔の内側に入り小さくなる分どうしても頬の肉が下に落ち、その分たるんで見えることがあります。高齢で元々たるみがある方は、頬骨が小さくなる分さらにたるんでしまうことになるため、これが顕著におこります。

これを防ぐために、こういった方にはこめかみのフェイスリフトを併用されることをお勧めしています。この場合はもみ上げの中の切開は行わず、頬骨の外側の切開にはフェイスリフトの傷を利用します。若い方であれば、こういったプラスアルファの手術を行わずとも、頬骨の骨切りにちょっとした工夫を加えることでこの「たるみ」を防ぐことが出来ます。これは、切った頬骨を固定する際、少し上方にスライドさせることによって頬のたるみを引き上げるというものです。弓部につながる筋肉も一緒に引き上げられるため、術後のたるみは最小限に食い止めることが出来ます。

頬骨形成

ただし、弓部の「骨切り」のみを行う場合では非常に有効なこういった工夫も、体部から弓部を広範囲に縮小しなければいけない場合には限界がありました。というのも、従来の方法では、弓部は「骨切り」を行い、体部は体部で別に「削る」という作業を行っていました。

そのため、この両方を行う必要がある方に対しては、体部の削る範囲を大きく露出し、さらに弓部の切る部分も剥離せざるおえない訳ですから、その結果どうしても前方の剥離範囲が大きくなってしまいます。こうなると、先ほどお話した「血流」の問題もさることながら、頬骨につながっていた筋肉が広範囲でその支えを失い、緩んでしまい、これが大きなたるみの原因になってしまいます。

頬骨形成

これを防ぐために、最近では体部から弓部全体を「骨切り」で小さくするという工夫を行っています。もちろん、同時に上方へのスライドも行います。

頬骨形成

つまり、従来の術式と最近の術式では骨切りラインが異なります。

この方法では、頬骨の露出が最小限で済むため従来の方法のような「たるみ」の心配がありません。

頬骨形成
頬骨形成

これを防ぐために、最近では体部から弓部全体を「骨切り」で小さくするという工夫を行っています。もちろん、同時に上方へのスライドも行います。

この方法では、頬骨の露出が最小限で済むため従来の方法のような「たるみ」の心配がありません。

また、このくの字のラインに沿って全体に骨を一部切除することによって、頬骨の縮小と挙上を同時に行うことが出来ます。

つまり、縦方向に骨を切除することで頬骨のアーチを小さくし、横方向に骨を切除することで頬骨を上に持ち上げます。

ややこしいのでまとめると・・・

今まで何回かに分けてお話してきた頬骨の手術ですが、言いたかったことをまとめると、

ということです。

もちろんすべてお話できたというには余りにもわずかな内容でしたので、疑問に思うこと、お知りになりたい事がある方はぜひカウンセリングの際に直接ご質問ください。

皆さんがどんなことをお知りになりたいかを教えていただけることは、私にとっても勉強になることなのでよろしくお願いします。

“ エラの骨を削るということ PART1~序章
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エラの骨を削るということ

今回はエラ削りについてのお話しになります。

エラ削り

エラの骨を削る手術の適応は、見た目のフェイスラインの形態に骨が大きく影響しているかどうかで決まります。

いわゆるエラ張り顔の特徴として、正面から見たときにフェイスラインが角張っていることが挙げられます。

いわゆるホームベース型と言われるタイプです。

一般的にはこの角ばりが顕著なほど手術での変化が大きく、良い適応になります。

エラ削り

横顔は、いろいろなタイプがあって一概にこの形とは言い難いのですが、(タイプについては後ほどお話しします。)一般的には、横顔で顎から耳にかけての骨の形態がはっきりしている方ほど手術後の変化が大きく表れます。

逆に、顔と首の境界が不明瞭で骨の形がはっきり出ていない方は、手術での横顔の変化はあまりありません。(エラ張り顔にはこのタイプはあまりいらっしゃいませんが)

一般的にエラと言っているのは、骨では下顎角という部分になります。

横顔ではこの部分です。

エラ削り

標準的なエラ削りというのは、この下顎角を中心にこの角にある骨を削って小さくする手術です。

当然、削った分だけ顔が小さくなっていく筈で、少なくとも横顔では角が小さくなって目立たなくなります。

ただし、手術でこの下顎角だけを削っても、正面から見たフェイスラインが小さくなるとは限りません。

おまけに、横顔でも、下顎角だけを削って自然なフェイスラインになる方はそれほど多くはありません。

下顎角の形態について

下顎角だけを削っても、正面から見たフェイスラインが小さくなるとは限らない理由については、後述します。

その前に下顎角の形態について少し詳しくお話ししていきたいと思います。

下顎角の形態について
下顎角の形態について

正面と横顔で見た下顎角の位置を、サカモト君(頭蓋骨模型の事です)で示すとこの部分になります。

下顎角の形態について

下顎骨の中での下顎角の位置をもう少し詳しく解剖学的に説明すると、

「下顎骨は、水平な馬蹄形の部(下顎体)と、その後端から上方に向かう部(下顎枝)に分けられ、下顎体の上縁は歯槽部で、下縁は下顎底といいます。そして、下顎底が下顎枝にうつる角の部分を下顎角と呼びます。」

という事になります。

下顎角の形態について

ちなみにこのサカモト君の骨格はとても典型的なエラ張り顔で、手術による変化が出やすいタイプです。

ではどういったタイプを典型的なエラ張り顔と言うのでしょうか?

これはまず、横顔でオトガイからつながる下顎底のラインに対し、下顎角部分が少し突出していることが挙げられます。

下顎角の形態について

また、正面から見るとこの下顎角が下顎骨の全体的なアウトラインからはみ出るように外に張り出しています。

つまり、下顎角が外に向かってエビ反りになった形態をしています。

下顎角の形態について

このエビ反りをCT画像で見るとこんな感じです。

このタイプは、下顎角を削るだけで正面でも横顔でもひとまわりフェイスラインが小さくなります。その意味で非常に効率の良いタイプと言えます。

ただし、エラが張っている方すべてがこのタイプではなく、全く反っていないどころか中には下顎角先端が内側に入り込んでいるタイプまで存在します。こういったタイプは下顎角の削りだけではあまり変化が得られず、下顎角に限定しない広範囲な下顎骨形成が必要になります。

どういったタイプにどんな術式を選択すべきなのか?

この事を分かりやすく理解していただくために、次回はエラの形状を分類してそれぞれのタイプに合った治療法を考えていきたいと思います。




つづきは「エラの骨を削るということ PART2~下顎骨形態のタイプ」

“ 鼻尖形成-029 エラの骨を削るということ PART2~下顎骨形態のタイプ
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下顎骨形態のタイプ

下顎骨形態のタイプ分けは以前から試みられています。

日本人のエラに合った分類の一つに、出口正巳先生らの行ったタイプⅠ~Ⅲの分類があります。

これは

という3つのタイプに分類されます。

[タイプⅠ]
下顎角部に骨棘があり咬筋肥大を伴うもの

このうちタイプⅠはまさにサカモト君タイプ、つまり前回お話しした典型的なエラ張り顔です。

ここで言う骨棘は、前回説明した下顎角が外に向かってエビ反りになった形態を言っています。

[タイプⅡ]
下顎体部が全体に外側に張り出し、角部はむしろ後内側へ回り込んでいるもの

タイプⅡは下顎角だけでなく、下顎全体が厚く外側に張っている状態です。

下顎角はむしろ後内方に回り込んでいるとありますが、こうなっていると正面から見た下顎の角は実際の下顎角より手前になります。

ですから、下顎角部だけ削っても正面から見た顔はあまり変わりません。

実際には、このタイプⅠとⅡの中間レベルの形態もあります。というより、中間レベルが一番多い気がします。

そのため、今回はこのタイプⅡを二つに分けて考えます。

具体的には、体部自体が厚いタイプの内、正面から見て下顎体部から下顎角に向かって少しずつでも外にふくらんでいくタイプをⅡ-Aとし、従来の定義通りのタイプⅡ、つまり下顎角よりもむしろその手前のふくらみが大きく正面から下顎角の頂点か見えないタイプをⅡ-Bとしました。(勝手に定義を変えて申し訳ありません。)

もう少し簡単に表現すると、正面の写真でエラの角に見える部分と横顔での下顎角の角が一致するタイプがⅡ-A、正面から見ると本当の下顎角が内側に隠れてしまい一致しないものをⅡ-Bということになります。

[タイプⅢ]
タイプⅡに加えてオトガイ部の垂直高が短いもの
タイプⅡに加えてオトガイ部の垂直高が短いもの

タイプⅢはオトガイの縦方向の長さが短く下顎底が水平に近くなるため、横顔でエラが直角に見えやすいタイプです。

このタイプはshort&square faceとも呼ばれ、エラ削りでは少し厄介です。この事については具体的な術式の所で詳しくお話しします。

このタイプⅢもタイプⅡ同様、正面から下顎角が完全に見えないものからわずかでも見えるものまでバリエーションがあります。

タイプ別に術後のフェイスラインがどうかわるか?

タイプⅡに加えてオトガイ部の垂直高が短いもの
タイプⅡに加えてオトガイ部の垂直高が短いもの
タイプⅡに加えてオトガイ部の垂直高が短いもの

タイプⅡやタイプⅢでは、下顎角近傍のエラ削りのみでは正面から見たフェイスラインの変化に乏しい事はさきほどお話ししましたが、この事をもう少し分かりやすくするために、それぞれのタイプで下顎角部を削った場合、正面から見た骨格にどういった変化が現れるか確認してみましょう。(タイプⅢはタイプⅡとほぼ一緒なので省略しています。)

如何ですか。

いわゆる下顎角を削るだけの手術は、タイプⅠ以外では大きな変化が望めない事が分かりますね。

一般にエラ削りと言うと、下額の後方に触れる角の骨を削る手術と思われがちで、実際にそういった手術が多いのが現状ですが、タイプⅠ以外で正面から見た顔を小顔にするためには、下顎体を含めた広範囲な面を削る手術が必要になります。

次回は、実際の手術法についてお話したいと思います。




つづきは「エラの骨を削るということ PART3~骨の構造を知りましょう」

“ エラの骨を削るということ PART4~エラの角はいくつありますか?
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「エラの角(かど)はいくつありますか?」

バカな質問と思われるかもしれませんが、エラ削りという手術では非常に大切なポイントです。

答えはもちろん一つですが、エラの手術でこれが二つになってしまう事があります。

外見上、下額骨の形態は正面より横顔のほうが分かりやすいので、エラ削りの後の輪郭が不自然にならないためには横顔を自然にすることが重要になります。

今日は、エラ削りで横顔が美しく見えるために必要なことをお話ししたいと思います。

[頬の形の差]
頬の形が四角形

横顔で頬の面積が大きく見えやすい方の多くは、頬の形が四角形になっています。

頬の形が三角形

これが横顔の小さい方では三角形に近い形をしています。

この違いは下顎角の位置によって起こります。

つまり下顎角の位置が低ければ低いほど頬が四角形に見えます。

横顔を小顔に見せるポイント

ということは、逆に言えば下顎角を高い位置に持っていくことが横顔を小顔に見せるポイントになるという事です。

下顎角を高い位置に持っていくためには、当然今ある下顎角を削る必要があります。

この時大切なことは、下顎角はあくまで高い位置に持っていくだけで無くしてしまってはいけないという事です。

生まれつき「下顎角が無い」つまり「エラが無い」輪郭はありません。ということは、エラが無くなると通常ではありえない輪郭になります。

そればかりでなく、エラが無いと顎から頸へのつながりがぼやけてしまい、フェイスラインにメリハリが無くなってしまいます。

つまりエラ削りでは、大きく低い位置にある下顎角を削って、高い位置に新たに小さい下顎角を作ることが重要です。

具体的にどうするか?

言葉にすると簡単そうですが、下顎角を単純に削るだけでこうなる事はあまりありません。

「下顎角」が二つ

単純に下顎角だけを削ると、「角」つまり「新たな下顎角」が二つできてしまいます。

「下顎角」が二つ

ある程度下顎角だけが突出した上の写真のようなタイプ(タイプⅠ)であればそれほど大きくは目立ちませんし、下顎角部分だけでなくもう少し前方まで削る事によってこれを防げます。

それによってオトガイからエラにかけてのフェイスラインもスムースになります。

オトガイからほぼ下顎全体を削るイメージ

ちょっと厄介なのは下顎全体がスクエアに大きいタイプ(タイプⅡやタイプⅢ)です。

部分的に突出している所が無いため、かなり前方から削らないと角が二つ出来てしまいます。

特にタイプⅢ(ショート&スクエア タイプ)では、下顎底(下額の下のライン)が水平に近くなるため、オトガイからほぼ下顎全体を削るイメージでいかないといけません。

また下顎全体が大きいタイプには、当然エラだけでなくオトガイ(顎)も大きいという方がたくさんいらっしゃいます。

こういった方がエラだけを削ると、今度はオトガイ(顎)の大きさが目立ってしまう事があります。

そのためこのタイプではさらに削る範囲を広げ、オトガイから下顎ほぼ全域を削る事になります。

ヴェリテクリニックでは

こういった広範囲の骨形成を容易にするため、ヴェリテクリニックでは広範囲の骨切りを可能にする術式やそれに必要な独自の器械の開発を行っています。

そのため、削る範囲が大きくなるからと言って手術時間や術後のダウンタイムが長引く事はありません。

実際私自身、7、8年前に比べ、行っている手術自体はより高度で大きな術式になっているにも関わらず、それにかかる手術時間は短くなっています。

“ 目頭-026 アゴの骨、削るだけで小さくなる? PART1~アゴの骨を小さくする手術
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アゴの骨を小さくする手術

アゴの骨を小さくする手術には、削る手術と切る手術(アゴ切り・アゴ削り)があります。

切る手術をするときは、切って骨をずらした後に生ずる段差をなだらかにするために削る作業を行うため、切ると削るの両方を行うことになります。切った骨を再度つなげなければいけないため、チタンプレートやワイヤーで固定する必要があります。

その点、削る手術では骨の表面を機械を用いて削って小さくするだけなので作業は簡単です。でも、この削るだけの手術にはいくつかの欠点と限界があります。

一つは、削る部分の骨を全体的に露出させる必要があるということです。特に短くしたい時などは、どうしてもオトガイの下端の骨につながっているオトガイ筋などの軟部組織を一旦剥がさなくてはいけません。ここを剥がすとアゴ下が緩んでたるんでしまいます。つまり二重アゴになってしまいます。

もう一つは、小さくできる程度の問題です。削る手術で頑張りすぎると、骨の髄質(骨髄)が露出してしまいます。これ自体は大きな問題ではないのですが(エラの手術の時には必ず露出します)、アゴの場合この髄質に、さきほどお話ししたアゴ下の筋肉などが癒着すると、口の動きによってはひきつれて見えたりつっぱたりします。これを防ぐためにはどうしても骨皮質(骨の表面の硬い部分)の全部が無くならない程度に削る量を抑えなければなりません。でも、この骨皮質の厚みは5ミリ程度しかありません。(さらに薄い場所もあります。)ですから、この手術を安全に行おうとすると、アゴの前方や側方を3,4ミリ程度小さくするだけということになります。

アゴの骨を小さくする手術

つまり削る手術は、ちょっと小さくしたりアゴのバランスを少し整えたりするのには良い適応ですが、大きく変化させたい方には向いていません。

切る手術はいわゆる中抜きと呼ばれるものですが、一般的なのは平行なラインで二か所水平に切り、間をだるま落としの要領で抜いて、その上下をつなぎなおすという方法です。

アゴの骨を小さくする手術

当然この上下の骨の大きさには差があるので、それによって出来る段差をなだらかにする必要があります。

これが意外と厄介ですが、ここをきっちりしないと綺麗なアゴにはなりません。

アゴの骨を小さくする手術

上下には長いけれども前後には短いタイプの方は、この下の骨を前方に少しずらして固定します。

この方がメリハリの利いたシャープなアゴに見えます。

この中抜き手術は切る角度を変えたり、上下の骨切りラインを変えることで、いろいろな形に対応できます。

アゴの骨を小さくする手術

最近は、側方が大きい、つまり幅の大きいアゴにも中抜きを行います。

この場合は、水平に切るのは一か所で、その代わり切った下の骨を二か所垂直に切り、その間を抜きます。この場合も、当然段差は出来るので、これをなだらかにする必要があります。

特に女性らしい細くてシャープなアゴになるためには適した方法です。

アゴはどれだけ短くできる?

アゴを短くされたい方に、「何ミリ短くなりますか?」と質問を受けることがよくあります。

短くすればするほどアゴが小さく見えるようになるかは別にして、短くしたい方にとって、どれだけ短くできるかというのは大事な問題です。

削る手術では、骨皮質の厚みの範囲でしか削らないため5ミリ前後というのが一つの目安になると思います。(もちろん骨皮質の厚みにも個体差はあります。)

では、中抜きではどうでしょうか。

アゴはどれだけ短くできる

これが決まるには、いくつかの条件があります。一つは、一旦切り離して残す骨片、つまり中抜きする骨の下に残る骨片の長さです。ここは、最低でも真ん中部分で5ミリは残したいところです。(できればもう少し)

切っていく時に、デザインラインを中心に1,2ミリの幅で骨が削れて粉になるため、実際に切るラインはアゴの下縁から少なくとも6ミリ以上は必要です。

骨片が小さすぎると、プレートやワイヤーを用いた固定が難しくなります。さらに、短くするだけでなく前方へも移動するような場合に、骨片が小さいと少し前方に出すだけでこの骨片と上の骨との接触面がほとんど無くなってしまうため、ほんの少ししか前方に出せなくなってしまいます。

もう一つの条件は、歯根とオトガイ神経からの距離の問題です。

オトガイ神経

余りにも歯根に近いところで切ると歯が脱落する恐れがあるので、この歯根から5ミリ以上は離す必要があります。でも、どちらかといえばこの歯根よりオトガイ神経の方が下に存在するので、こちらの方が切る限界ラインの目安になります。

オトガイ神経は下顎神経の分枝で、下顎骨の中にある下顎管を通ってオトガイ孔と呼ばれる穴から骨の外に出てきます。この神経は、オトガイ孔から出る直前で、一旦この出口より低い所を通ることが多いため、少なくともこの穴より5ミリ程度下で切らないと神経を切断してしまう恐れがあります。

オトガイ神経

もし、この神経を損傷してしまうと、オトガイから下口唇の感覚が消失してしまいます。

今までお話したことをまとめると、中抜きの骨切りラインは、上がオトガイ神経孔の5ミリ下、下の骨切りラインは下顎骨下端の5ミリ上ということになります。

つまり、この二つのラインの間にどのくらいの距離があるかで短くできる長さが違ってきます。

アゴが長い方であれば、8ミリから12ミリ位短くすることが可能です。でも、元々アゴがそれ程長くない方が中抜きをしようとすると、2,3ミリしか抜けない事もあり得ます。

ですから、術前にレントゲンを撮影して、オトガイ神経孔の位置や下顎骨全体の長さを評価する必要があります。この手術の前にレントゲン撮影を行わないクリニックがあると聞いたことがありますが、正確な診断をし適応をきっちりと見極めるために、こういった検査は必須であると思います。




つづきは「アゴの骨、削るだけで小さくなる? PART2~疑似手術」

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