Pickupコンテンツ - 田中宏典
初期脱毛
いつも出てくる『初期脱毛』って何?というのが今日のお話です。正式な医学用語ではありませんが、一般的に通じるので私も使っています。
定義としては『初期脱毛とはプロペシアなどの発毛薬で毛髪治療を開始した初期の段階で、抜け毛が大量に増える現象のこと』と捉えられます。
しかし、この初期脱毛・・・
とっても、患者さんにも医療者側にもストレスフルです汗
(二度と生えてこなかったらどうしよう)という患者さんの強い不安
(いつものことだし大丈夫。でも今回に限って別の原因だったら・・・)という医療者側の心配しつこいですが、どちらも本当にストレスフルなんです叫び
では、なぜ初期脱毛なんて起きるのか?
薬が悪さをして、いわゆる副作用なのか?
どの発毛薬の作用も、今生えている髪をケアするのではなく、これから生えてくる髪を抜けにくい毛髪に変えていく(ヘアサイクルの乱れを正常化する)というものです。
(ヘアサイクルって何だっけという人はヘアサイクルの回を読んで下さい)
ヘアサイクルには髪がスタンバイすると古い現存の髪は抜け落ち、髪が伸長してくる休止期がありましたね。
薄毛はヘアサイクルが乱れて成長期が短く、休止期が増えます。
薄毛治療の初期過程(2週間から一か月経過後)で、育毛薬が作用して髪の成長が始まると、成長を休止していた毛根でも髪が発生するものが続々とでてきます。そうなると古い髪はどんどん抜けていくので一時的に抜け毛が増えたように感じられます。
そして、新しく生えた髪が確認できるようになる3か月後には脱毛が停止し、髪が増えてきたように感じられます。
これが初期脱毛のメカニズムです。
ヘアサイクルが正常化していく過程ですので、育毛薬の副作用ではけっしてありません。
ですので、当院の患者さんは、心配のあまり内服を自己中断することは決してしないで下さい。
心配な時は相談しに受診してくださいね。
また、半年以上脱毛が進行している方は初期脱毛ではなく、薄毛の進行ドクロですので受診して頂けると幸いです。