ヒアルロン酸はもともと人間の体内にある物質ですが、ごく稀にアレルギーを起こすことがあります。
異常な赤みや腫れ・熱感等の症状が注入後から、または、数日後から約2 週間の間に出ます。
アレルギーを起こした場合、抗アレルギー剤の内服や点滴(ステロイド)を受けて頂く為に通院が必要になります。
また、注入したヒアルロン酸はヒアルロン酸分解注射で溶かす処置をさせて頂きます。
血管内にヒアルロン酸が注入される、あるいは注入によって皮膚がパンパンに膨らんで緊張が強くなると皮膚の血流が悪くなります。血行障害を起こした皮膚は数時間後には紫色や赤色になり、痛みを伴います。
血行が悪いままにしておくと、皮膚が萎縮して凹みや赤みを残すことになります。
また血流が非常に悪くなると、皮膚が壊死して黒いかさぶたになってしまいます。
異常を感じた時には、早急に来院して頂くようお願い致します。
血流障害が疑われる場合には、ヒアルロン酸を溶かす処置(ヒアルロン酸分解注射)を行わせて頂きます。
できるだけ早く、皮膚が壊死する前に治療を行うことが大切です。
皮膚が壊死した場合には、周りから皮膚が伸びて傷が閉じるように軟膏を処方させて頂きます。
当院では血管内への注入を防ぐために、注入部位によっては先端が鈍くなった太い針を使用致します。
神経に注射の針があたって、しびれを生じることがあります。
自然な回復をお待ちいただかなければなりません。
回復するのに1ヶ月程、長くて3 ヶ月程かかることもあります。
特に目の周りなどの皮膚の薄い部分では凸凹が目立ちやすくなります。注入したヒアルロン酸が均等に広がっていないと皮膚の表皮に凹凸ができてしまいます。
マッサージをしていただきますと、ヒアルロン酸が周りになじんで凸凹や膨らみが滑らかになります。
注入後1~2 週間はむくみのため、注入部が膨らみすぎていると感じるかもしれません。
また、ヒアルロン酸が一部にかたよっていると、その部分が膨らみすぎてしまいます。
まずは2 週間程経過をみていただき、その間、注入部位をマッサージしてヒアルロン酸を周りになじませて下さい。
それでも注入部位が膨らみすぎたと感じる場合には、ヒアルロン酸分解注射で溶かして注入部位を小さくすることが可能です。
注入するヒアルロン酸の量が少ないと、凹みが残ってしまいます。法令線やマリオネットラインのようなシワはヒアルロン酸を大量に注入しても完全に消えることはありませんのでご了承下さい。
ヒアルロン酸の注入量不足が原因ですので、凹みをさらに浅くすることをご希望の場合は、ヒアルロン酸を追加注入されることをおすすめ致します。
法令線やマリオネットラインのようなシワは、ヒアルロン酸を大量に注入しても完全に消えることはありませんのでご了承下さい。
同一箇所に多量のヒアルロン酸を注入した場合、しこりのように感じる場合があります。
経過に問題はありませんが、気になる場合は、強くマッサージをしていただくと、しこりを散らすことができます。
それでもしこりが残ってしまう場合はヒアルロン酸分解注射で溶かすことが可能です。
注入部の熱感、痛み、腫れ、赤みが増し続けたり、その症状が長引く場合には感染が疑われます。
感染が起きた場合、内服薬の処方、抗生剤の投与のため通院が必要になります。
またヒアルロン酸を溶かす処置(ヒアルロン酸分解注射)を行わせて頂きます。
稀ではありますが、感染がひどい場合には、切開をして膿を出す必要があります。
鈴木 明世医師の症例解説
鈴木 明世医師のコメント
目の上のくぼみ(サンケンアイ= Sunken Eye)に対して、脂肪注入を他施設で行ったけれども、後戻りしてしまったために当院を受診された方です。
脂肪注入で有名な施設を含めて、3回注入を他クリニックで行ったけれども、術後1ヶ月を過ぎるとだんだんと凹んでいき、3ヶ月目には元の目に戻ってしまったとのご相談でした。
この方に行ったのは真皮脂肪移植術という、形成外科の技術に基づく方法です。
違う場所から真皮と脂肪を採取し、上瞼のくぼみに移植する手術です。
上瞼は眼輪筋と皮膚で構成されており、ほとんど脂肪がないため、注入では生着が難しいとされる場所です。
術後の差が明確になるのは、3ヶ月頃からです。脂肪注入は術後1ヶ月を過ぎるとほとんど吸収されてしまいますが、真皮脂肪移植は脂肪の生着が良好です。
(ほとんどのクリニックで、目の上の脂肪注入の症例写真を1ヶ月後にしているのはこのためです)
しっかりとボリュームを出すには真皮脂肪を移植するのがおすすめです。
注意点としては、上瞼に対する真皮脂肪移植は高度な技術を要しますので、形成外科の手技に精通しているクリニックを選ぶようにしてください。