症例番号:下眼瞼脱脂-038
【執刀医のコメント】
3タイプのクマのお話し
くま治療は実は奥が深いです。
まず、目袋というのは目の下がたるむことで出来る脂肪の膨らみです。その膨らみの影が、黒クマ、もしくは影クマと呼ばれます。
当然、影と呼ばれるだけあって、このクマは目袋のすぐ下にいます。
一方、紫ぐまは、皮膚の下の眼輪筋や血管などが透けて見えている状態です。
このクマは必ずしも目袋のすぐ下にいるわけではありません。
茶ぐまはメラニン沈着などで出来る色素沈着です。
日焼けや、こすることで出来るので、このクマも色んな場所にいます。
ただ、3タイプのクマは仲良しなので、よく同じ場所にいます。
そして、あまり知られていないのですが、ミッドフェイスの凹みもこのクマに影響を与えます。
写真は裏ハムラとミッドフェイスリフトの半年後の方です。
正面はビフォーアフター両方ともノーメイクです。
横からの写真はビフォーがノーメイク、アフターはメイク後です。
横からの写真を見ていただくと影クマの原因である膨らみが治っているのと、中顔面がリフトアップされたことで頬のトップの位置が高くなっているのが分かります。
色白で皮膚が薄い方なので、紫クマはまだありますが、不思議なことに紫クマも術前に比べると薄くなっています。
これはミッドフェイスリフトが関係してくるのですが、複雑な話なので詳細に興味がある方はカウンセリングでお尋ねください。
形成外科専門医のみが取得できるJSAPSの美容外科専門医として、初回手術から修正手術まで幅広く行なっておりますので、いつでもご相談にいらしてください。
担当医: 鈴木 明世
表ハムラ・裏ハムラ法のリスク・副作用
膨らみが残る
手術後、目袋の原因となっている脂肪を取り除く量が足りませんと、目袋の膨らみが残ることがございます。
筋肉や皮膚のゆるみが原因で、膨らみが残ることもございます。
対応
目袋のふくらみが気になる場合は、再度まぶたの裏側(結膜)を切開して、残っている脂肪があれば切り取ります。
ふくらみの原因が脂肪ではなく、皮膚や筋肉のタルミの場合は、手術をしても脂肪を取り除くことができませんことをご了承ください。
皮膚や筋肉のゆるみに対しては、皮膚を切開して目尻で筋肉を吊上げる下眼瞼切開術をご提案させて頂きます。再手術をしても、目袋のふくらみが完全には取れないことがありますことをご了承ください。
膨らみや凹み具合の左右差
脂肪の処理の多少の左右差が原因で、下まぶたの膨らみや凹みに左右差を起こすことがあります。元々、左右差がある人では左右差が残りやすくなります。
対応
下まぶたのふくらみや凹みに左右差がある場合は、上記に準じて調整を行ないます。
効果が物足りない
元々、下まぶたのすぐ下の頬の骨が後ろに引っ込んでいる、頬の肉が痩せている、あるいは加齢で頬の肉が垂れていますと、下まぶたの下の頬にボリュームが足りません。術後に下まぶた~頬にかけて凹みが出来て下眼瞼脱脂の効果が半減してしまいます。
対応
元々のシワやタルミ、頬のボリューム不足により、思った程の効果が得られないことがあります。
下まぶたの下の頬のボリュームがもともと少なく、術後に下まぶた~頬にかけて凹んで影になって見える場合は、ドールチークやミッドフェイスリフトで頬のボリュームアップを図ることをお勧めします。
目のチクチク感
まぶたの裏側に縫合した傷が眼球の表面に触れてゴロゴロした違和感を感じることがありますが、通常2~3週間で違和感は落ち着きます。目にチクチクした痛みを感じる時は、糸がほどけて糸の先端が眼球にあたっている可能性があります。その場合、眼球を傷つける危険があります。
対応
できるだけ早く来院して頂き処置を受けて頂く事をお願い致します。通常は抜糸を必要としない手術ですが、抜糸をさせて頂きます。
感染(化膿する)
赤み・痛み・腫れ・熱感が増したり、長く続いたりする場合は、感染が疑われます。
対応
感染が起きた場合は、抗生剤の投与を行います。膿が溜まっている場合は、必要に応じて傷を再度開ける、もしくは、新たに切開し、膿を出す処置を行います。
血が溜まる
術後に傷の中で出血しますと、血が溜まってまぶたが腫れ上がります。血が溜まったままにしておきますと、感染やしこりを作る恐れがあります。
対応
出来るだけ早く処置をする必要があります。その際は再度傷を開け、溜まった血を排出します。
傷が開く
稀に糸が外れて、傷が開いてしまうことがあります。
対応
傷が開いた場合は、再度、縫合いたします。
白目や角膜の損傷
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に、手術器具が当たる、あるいは糸やまつ毛の先端が当たって眼球の表面に傷がつくことがございます。
対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
眼球の火傷
大変稀なことですが、可能性は否定できません。手術中に血を止めるための電気メスやバイポーラによって発生した熱で、眼球の表面に火傷を作る可能性があります。
対応
白目や角膜の損傷や眼球に火傷が生じた例も報告されています。状態に応じた処置や対応を行います。
表ハムラ・裏ハムラ法のよくある質問
表ハムラ法と裏ハムラ法の違いは?
皮膚のたるみが少ない人や、傷を避けたい人に適しています
表ハムラ方で腫れがひどいのはいつまでですか?
完全に落ち着くまでには1〜2ヶ月ほどかかることもありますが、仕事復帰などは早ければ1週間前後で可能です。
※体質や術後ケアによって個人差があります。
ハムラ法のダウンタイムはどれくらいですか?傷跡は残りますか?
一方、裏ハムラ法は腫れが少なめで1週間前後で落ち着くことが多く、まぶたの内側からの施術のため傷跡は外に残りません。
どちらも最終的な仕上がりには半年ほどかかりますが、日常生活には比較的早く復帰できます。