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第33回日本美容外科学会総会、京都 2010/10/7-8

レクチャー講演

ヴェリテクリニック 福田慶三
発表内容の詳細 : 「鼻中隔延長術の問題点 」

: 鼻中隔延長術を施行した症例への問題調査

2008年4月から2010年3月までに鼻中隔延長術を施行した153例において、どのような問題が起こったのか調査した。また、問題の原因を検討した。

延長術には、鼻尖や鼻柱の彎曲と鼻孔の左右差、延長不足、延長のやりすぎ、延長方向の誤り、そして、鼻閉といった問題が起こることが分かった。

15例にクローズ法を用いた。そのうち2例では、移植軟骨や鼻中隔軟骨の破損が危惧されたため、オープン法に切り替えた。

オープン法では左右の大鼻翼軟骨内側脚のバランスを確認するのが難しかった。

しかし、彎曲や鼻孔の左右差はオープン法が23%に対して、クローズ法は18%であった。

移植軟骨としては鼻中隔軟骨を76%、肋軟骨を16%、耳介軟骨を8%の症例に用いた。

耳介軟骨単独、あるいは、耳介軟骨と鼻中隔軟骨を併用した例では彎曲や左右差の発生率が両者とも33%と高かった。

他院での延長術後に彎曲を発生した3例は全て耳軟骨を使用されていた。

: 延長量の不足

延長量の不足は、術者の術中の判断ミスが原因のことがあり、術直後に不足が確認された時には、直ちに再手術を行って修正した。

それ以外では、移植に用いた軟骨が小さいことと粘膜側の伸展が悪いことが原因となった。この場合の修正は困難である。

: 延長のやりすぎと延長方向の誤り

延長のやりすぎと延長方向の誤りは術者のデザインセンスの欠陥か術中の判断ミスが原因である。

特に陥りやすい過ちは、下方への延長を予定していながら、前方に延長させてしまうことと

鼻尖部のみが移動されて鼻柱部の移動ができていないために、鼻尖のcaudal rotationが強くなりすぎることであった。

: 鼻閉

鼻閉は3例に認められた。厚みのある軟骨を鼻中隔軟骨と上外側鼻軟骨の接合部の尾側縁、すなわちinternal valveに接するように移植すると鼻閉を生じやすい。

2例では移植軟骨の部分切除を行って修正した。

鼻中隔延長術は術者の美的センスと術中の細かい操作を必要とする。

 

パネルディスカッション

: 「重瞼手術を極める」
ヴェリテクリニック 福田慶三

発表内容の詳細 : 「腫れぼったい上眼瞼に対する重瞼術 」

上眼瞼は表層から順に皮膚、眼輪筋、眼窩隔膜、眼窩脂肪、眼瞼挙筋と腱膜、ミュラー筋、結膜といった組織で構成されている。各層の組織が厚いと上眼瞼を腫れぼったくすると考えられる。

腫れぼったい上眼瞼に対して、予定した重瞼線にあわせて皮膚を切開または切除する全切開法か、眉毛直下で皮膚を切除する上眼瞼リフト術のいずれかを行った。

その際に、腫れぼったさの軽減を図って、眼窩脂肪の切除だけでなく、隔膜前脂肪(ROOF)の切除を行った。

また、症例によっては眼輪筋も切除した。その経験を報告する。

上眼瞼リフト術に際して眼窩脂肪を切除すると一重が二重になる、あるいは二重の巾が広くなることを経験した。眼窩脂肪、特に外側部の脂肪を切除することによって、目尻側の重瞼線がはっきりした。

眼窩上縁を覆うROOFの切除は眉毛の外側に向かって張り出した皮下組織のボリュームを減少する結果になった。

隔膜前脂肪の切除と眼窩脂肪の切除の効果の違いを明らかに判別することはできなかった。眼輪筋切除の効果も明らかにできなかった。

手術によって、二重が広くなったことが腫れぼったい上眼瞼をすっきり見せているといった印象を受けた。

眼窩上縁を覆うROOFの切除は眉毛の外側に向かって張り出した皮下組織のボリュームを減少することが分かった。

手術によって、二重が広くなったことが腫れぼったい上眼瞼をすっきり見せているといった印象を受けた。

: 術前術後